“逆捲”の読み方と例文
読み方割合
さかま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
卓子テエブルの上で、ざざっと鳴出す。窓から、どんどと流込む。——さてもさても夥多おびただしい水らしいが、滝のいきおいもなく、瀬の力があるでもない。落ちても逆捲さかまかず、走ってもほとばしらぬ。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
桂川の流れは、一時、徒渉としょうの陣馬のせきにせかれて、対岸まで幾条となく白々と逆捲さかまいた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と喜んで居りますると、俄然がぜん一陣の猛風吹き起って、たちま荒浪あらなみと変じました。見る/\うち逆捲さかまく浪に舟は笹の葉を流したる如く、波上はじょうもてあそばれてる様は真に危機一発でございます。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)