まか)” の例文
さも貴女と御新造さんがけむまかれて赤い舌でめられていなさるようで、わっし身体からだへ火がつくようだ。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云って大笑されましたので、流石さすが老練の塚江事務官もけむまかれたまま引退ひきさがったものだそうです
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それが本当の子で無いから私が心細いよ、お前さんには身内だから竹はいが嫁の根性が悪いと竹さんまで嫁にまかれて仕舞って、おかしな了簡に成って親不孝をされた日にア大変だよ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
天葢てんがいというても兩端りやうたんわらびのやうにまかれたせま松板まついたを二まいあはせたまでのものにすぎない簡單かんたんなものである。すゝけたかべにはれもふるぼけたあか曼荼羅まんだら大幅おほふくかざりのやうにけられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
肉づいた両手がまかれた掻巻かいまきを抱えこむようにしていた。
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)