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扨置
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さてお
ふりがな文庫
“
扨置
(
さてお
)” の例文
都会の地には洋学と
云
(
い
)
うものは百年も前からありながら、中津は田舎の事であるから、原書は
扨置
(
さてお
)
き、横文字を見たことがなかった。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
瀧
(
たき
)
を
覆
(
くつがへ
)
すやうで
小留
(
をやみ
)
もなく
家
(
うち
)
に
居
(
ゐ
)
ながら
皆
(
みんな
)
蓑笠
(
みのかさ
)
で
凌
(
しの
)
いだ
位
(
くらゐ
)
、
茅葺
(
かやぶき
)
の
繕
(
つくろひ
)
をすることは
扨置
(
さてお
)
いて、
表
(
おもて
)
の
戸
(
と
)
もあけられず、
内
(
うち
)
から
内
(
うち
)
、
隣同士
(
となりどうし
)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
冗談は
扨置
(
さてお
)
き、新らしい領主の氏郷が出陣すると、これを見て会津の町人百姓は氏郷を気の毒がって涙をこぼしたという。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
唯私に
覊
(
ひか
)
されたのだ。私とてもポチを手放し得なかったのは、
強
(
あなが
)
ちポチを愛したからではない。愛する愛さんは
扨置
(
さてお
)
いて、私は唯
可哀
(
かわい
)
そうだったのだ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
が、馬越は友達は
扨置
(
さてお
)
き、母にさへ妻にさへ、
謙
(
へりくだ
)
つてゐなければならぬ
腑甲斐
(
ふがひ
)
なさを悲んでゐた。——この二人も知らず識らず自分を内海に比べてゐるらしかつた。
仮面
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
▼ もっと見る
文「まア何は
扨置
(
さてお
)
き、
明暮
(
あけくれ
)
其方
(
そち
)
のことを案じぬ日とてはなかった、
宜
(
よ
)
く達者でいてくれた、人も通わぬ無人島、再び其方に逢うというのは
斯
(
こ
)
んな嬉しいことはない」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
珍重がられることもずいぶんあるようじゃ、このごろ、少しばかり火薬の製造機械を調べているけれど、思うように感心ができぬ、何を
扨置
(
さてお
)
いても洋行したい心が募って、じっとしてはおれぬ
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
殊に西洋
戸前
(
とまえ
)
ある押入の中に堅く閉籠りし事なれば其戸を開く迄物音充分聞えずして目を覚さずに居たる者なり
夫
(
それ
)
は
扨置
(
さてお
)
き妾は施寧が躍出るを見て
転
(
ころが
)
る如くに二階を降しが、金起は流石に男だけ
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
その家は日本国中蘭学医の総本山とでも名を
命
(
つ
)
けて
宜
(
よろ
)
しい名家であるから、江戸は
扨置
(
さてお
)
き日本国中、蘭学社会の人で桂川と云う名前を知らない者はない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
余
(
よ
)
のことは
扨置
(
さてお
)
き、まず天守台の提灯から御詮議あって然るべく存じ申す
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
出立
(
しゅったつ
)
のとき
別
(
わかれ
)
を惜しみ無事を祈って
呉
(
く
)
れる者は母と姉とばかり、知人朋友、
見送
(
みおくり
)
は
扨置
(
さてお
)
き見向く者もなし、逃げるようにして船に乗りましたが、兄の死後
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
内に妾を飼い外に賤業婦を
弄
(
もてあそ
)
ぶのみか、此男は某地方出身の者にて、郷里に正当の妻を遺し、東京に来りて更らに第二の妻と結婚して、所謂一妻一妾は
扨置
(
さてお
)
き、二妻数妾の滅茶苦茶なれば
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
扨
漢検1級
部首:⼿
6画
置
常用漢字
小4
部首:⽹
13画
“扨”で始まる語句
扨
扨々
扨〻
扨又
扨居
扨措
扨而
扨肥後