打泣うちな)” の例文
さきなるはさもなくて、いま幻に見えたるがまことその人なりけむもわかざるを、何とてことばはかけざりしと、打泣うちなきしが、かひもあらず。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しき夫人おくがたむかへたまひぬともあいらしきちごうまたまふとものつらさがおもはるゝぞとてほろ/\と打泣うちなけばお八重やへかなしく
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
とてりての御喜およろこさてはゝまゐらせたるきみなりしか御目おめにかゝりしうれしさにへておちぶれしはづかしと打泣うちなきしに榮枯えいこときなるものを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
父母ちゝはゝをもあにをも女子をなごどもをもせつけず、りませぬ、りませぬ、わたしなにりませぬとて打泣うちなくばかり、いへうちをばひろ野原のはらかたなきなげきにひとそでをもしぼらせぬ。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)