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手織縞
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ておりじま
ふりがな文庫
“
手織縞
(
ておりじま
)” の例文
手織縞
(
ておりじま
)
のごつごつした
布子
(
ぬのこ
)
に、よれよれの半襟で、
唐縮緬
(
とうちりめん
)
の帯を
不状
(
ぶざま
)
に鳩胸に高くしめて、髪はつい通りの束髪に結っている。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は
手織縞
(
ておりじま
)
の袢纏を着た友達を羨んで居ました。けれど私は絹縮の袢纏がぼろぼろに破れてしまひますまで、そんな話は母にしませんでした。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
とかく愚痴っぽい母親が、奥の
納戸
(
なんど
)
でゴツゴツした
手織縞
(
ておりじま
)
の着物を引っ張ったり畳んだりしていると、
前後
(
あとさき
)
の考えのない父親がこう言って主張した。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
手織縞
(
ておりじま
)
の布子に、
藁
(
わら
)
しべで髮を結つた、存分に質素な
身扮
(
みなり
)
も、何にかしら僞善的な不調和さを感じさせるところに、此家の生活には不純なものがあるのでせう。
銭形平次捕物控:169 櫛の文字
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
人々は思ひ/\の風俗、紋付もあれば
手織縞
(
ておりじま
)
の羽織もあり、山家の習ひとして多くは袴も着けなかつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
これは吾輩が自身にボロ
布
(
ぎれ
)
を拾って来て縫付けたもので、このポケットは木綿の
手織縞
(
ておりじま
)
だ。こっちの大きいのは南洋
更紗
(
さらさ
)
の風呂敷で、こっちのは
縮緬
(
ちりめん
)
だから二枚重ねて在る。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
手織縞
(
ておりじま
)
の
著物
(
きもの
)
はよいとして、小さな
藁草履
(
わらぞうり
)
は出入の人が作ってくれたので、しっかり編んで丈夫だからと、お国から持って来たのでした。鼻緒はお祖母様が赤い
切
(
きれ
)
で
絎
(
く
)
けて下さるのです。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
手織縞
(
ておりじま
)
の
單衣
(
ひとへ
)
に
綿繻珍
(
めんしゆちん
)
の帶を締めて、馬鹿に根の高い
丸髷
(
まるまげ
)
に赤い
手絡
(
てがら
)
をかけた人が、
友染
(
いうぜん
)
モスリンの
蹴出
(
けだ
)
しの間から、太く黒い足を見せつゝ、
後
(
うしろ
)
から二人を追ひ拔いて、
停車場
(
ステーシヨン
)
に
駈
(
か
)
け込んだ。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
手織縞
(
ておりじま
)
の
茶
(
ちや
)
つぽい
袷
(
あはせ
)
の
袖
(
そで
)
に、
鍵裂
(
かぎざき
)
が
出來
(
でき
)
てぶら
下
(
さが
)
つたのを、
腕
(
うで
)
に
捲
(
ま
)
くやうにして
笛
(
ふえ
)
を
握
(
にぎ
)
つて、
片手
(
かたて
)
向
(
むか
)
うづきに
杖
(
つゑ
)
を
突張
(
つツぱ
)
つた、
小倉
(
こくら
)
の
櫂
(
かひ
)
の
口
(
くち
)
が、ぐたりと
下
(
さが
)
つて、
裾
(
すそ
)
のよぢれ
上
(
あが
)
つた
痩脚
(
やせずね
)
に
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
織
常用漢字
小5
部首:⽷
18画
縞
漢検準1級
部首:⽷
16画
“手織縞”で始まる語句
手織縞布子