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憐愍
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れんみん
ふりがな文庫
“
憐愍
(
れんみん
)” の例文
千の
苦艱
(
くげん
)
も
固
(
もと
)
より
期
(
ご
)
したるを、なかなかかかる
寛
(
ゆたか
)
なる信用と、かかる
温
(
あたたか
)
き
憐愍
(
れんみん
)
とを
被
(
かうむ
)
らんは、
羝羊
(
ていよう
)
の
乳
(
ち
)
を得んとよりも彼は望まざりしなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
天皇
憐愍
(
れんみん
)
して使を遣して犯状の軽重を
覆審
(
ふくしん
)
せしむ。是に於きて、恩を
降
(
くだ
)
して
咸
(
ことごと
)
くに死罪
已下
(
いげ
)
を
免
(
ゆる
)
し、並に衣服を賜ひ、其れを自ら新にせ令む。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
初さんがこれほど
叮嚀
(
ていねい
)
な言葉を使おうとは思いも寄らなかった。おおかた
神妙
(
しんびょう
)
に下りましょうと出たんで、
幾分
(
いくぶん
)
か
憐愍
(
れんみん
)
の念を起したんだろう。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
も見出さずお菊が仕業なりと申立
公儀
(
かみ
)
へ御苦勞を懸し段麁忽不義の致し方に付重き御
咎
(
とが
)
めにも申付べきの處格別の御
憐愍
(
れんみん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
でも事に依りましたら、御都合でといふやうなわけですね。
憐愍
(
れんみん
)
といふ詞は、知れ切つてゐるから口外しないのですが。
笑
(新字旧仮名)
/
ミハイル・ペトローヴィチ・アルチバシェッフ
(著)
▼ もっと見る
無際の
憐愍
(
れんみん
)
と同情とを以て、陛下の赤子に対し公明にして周到なる審判を為すことを理想として居る人人である。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
奇絶なる鼻の持主は、
乞丐
(
きっかい
)
の徒には相違なきも、
強
(
あなが
)
ち人の
憐愍
(
れんみん
)
を乞わず、かつて米銭の恵与を強いしことなし。
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
故郷に棄てて來た妻や子に對するよりも、より深重な罪惡感を千登世に感じないわけには行かない。さう思ふと何處からともなく込み上げて來る強い
憐愍
(
れんみん
)
がひとしきり續く。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
そして見ると、自分の
周囲
(
まわり
)
には何処かに
悲惨
(
ひさん
)
の影が取巻ていて、人の
憐愍
(
れんみん
)
を自然に
惹
(
ひ
)
くのかも知れない。自分の性質には何処かに人なつこいところがあって、
自
(
おのず
)
と人の親愛を受けるのかもしれない。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
奪
(
うば
)
ひ取られし事
他聞
(
たぶん
)
も宜しからず當家の
恥辱
(
ちじよく
)
なりとて
改易
(
かいえき
)
申付られ尤も
憐愍
(
れんみん
)
を以て家財は家内へ與へられたれば通仙が
後家
(
ごけ
)
お竹并びに娘お高は
邸
(
やしき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今は呵責をも
苦艱
(
くげん
)
をも
敢
(
あへ
)
て
悪
(
にく
)
まざるべき覚悟の貫一は、この信用の
終
(
つひ
)
には慾の為に
剥
(
は
)
がれ、この
憐愍
(
れんみん
)
も利の為に
吝
(
をし
)
まるる時の目前なるべきを固く信じたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
この述懐を聞いた松本は何とも云わず、ただ
苦笑
(
にがわら
)
いをしていた。それが敬太郎には
軽蔑
(
けいべつ
)
の意味にも
憐愍
(
れんみん
)
の意味にも取れるので、彼はいずれにしてもはなはだ肩身の狭い思をした。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
見請候はゞ其
節
(
せつ
)
道十郎身分にも
關
(
かゝ
)
はり候事故
早速
(
さつそく
)
にも申立べくの處其儀無く
打過
(
うちすぎ
)
候段不埓に付屹度申付べきの處此度證人に相立其方が申立に
依
(
よつ
)
て
事實
(
じじつ
)
明白
(
めいはく
)
に
行屆
(
ゆきとゞ
)
き候儀も有之に付格別の御
憐愍
(
れんみん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
憐
漢検準1級
部首:⼼
16画
愍
漢検1級
部首:⼼
13画
“憐愍”で始まる語句
憐愍令