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そうりょう
ふりがな文庫
“
惣領
(
そうりょう
)” の例文
そのうちで彼の最も
可愛
(
かあい
)
がっていた
惣領
(
そうりょう
)
の娘が、年頃になる少し前から悪性の肺結核に
罹
(
かか
)
ったので、彼はその娘を救うために、あらゆる手段を講じた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
先代信秀が、信長のために、
傅役
(
もりやく
)
としておいた老臣の平手中務には、三人の男子があった。
惣領
(
そうりょう
)
が五郎左衛門、次男が
監物
(
けんもつ
)
、三男を甚左衛門といった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
惣領
(
そうりょう
)
の
忰
(
せがれ
)
も来年は大学にはいるはずです。わたしは人の世話をしたからとてその人から礼を言われたいなぞとそんな卑劣な考えは
微塵
(
みじん
)
も持ってはいません。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この事実は直接に
惣領
(
そうりょう
)
職の衰微であった。何となれば荒野を開く権利は惣領に属していたからである。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
往来から岡の方へ余程
経
(
へ
)
上って、小高い所にあるから
一寸
(
ちょっと
)
見ても涼しそうな家さ、おれがいくとお町は二つの小牛を庭の柿の木の
蔭
(
かげ
)
へ
繋
(
つな
)
いで、十になる
惣領
(
そうりょう
)
を相手に
姪子
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
▼ もっと見る
七年前に死んだ
惣領
(
そうりょう
)
の息子が今まで達者でいたらとは、母が明け暮れに繰り返す愚痴であった。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
なかでいちばんす早いやつでも、ききんの
惣領
(
そうりょう
)
息子が丁年になったような顔をしています。
幸福のうわおいぐつ
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
わけて言っているのに、お前まだわからないのかい。
恭
(
きょう
)
一は何と言っても
惣領
(
そうりょう
)
なんだからね。どうせあの子を、そういつまでも、お前の家に預けとくわけにはいかないじゃないか。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
親から
仕来
(
しきた
)
った百姓は百姓として、
惣領
(
そうりょう
)
にはまだ家の仕事を継ぐ特権もある。次男三男からはそれも望めなかった。十三、四のころから草刈り奉公に出て、末は
雲助
(
くもすけ
)
にでもなるか。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
くぐって出たそうで、ほんの少し
火傷
(
やけど
)
を負いました。——娘のお町は、危うく焼け死ぬところを、お隣の家主の
太七
(
たしち
)
さんところの
惣領
(
そうりょう
)
——周助さんに、煙の中から助け出して頂きました
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
後
(
のち
)
に仙台侯の
御抱
(
おかゝ
)
えになりました
黒坂一齋
(
くろさかいっさい
)
と云う先生の処に、内弟子に参って
居
(
お
)
る
惣領
(
そうりょう
)
の
新五郎
(
しんごろう
)
と云う者を
家
(
うち
)
へ呼寄せて、病人の
撫擦
(
なでさす
)
りをさせたり、
或
(
あるい
)
は薬其の
外
(
ほか
)
の手当もさせまする。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それもカウントに入るよ。吉川君は
惣領
(
そうりょう
)
だからね。七分三分かな、これは」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
一家
惣領
(
そうりょう
)
の末であった小山小四郎が田原藤太相伝のを奉りしより其れに改めた三
ツ
頭
左靹絵
(
ひだりどもえ
)
の紋の旗を
吹靡
(
ふきなび
)
かせ、
凜々
(
りんりん
)
たる意気、堂々たる威風、
膚
(
はだえ
)
撓
(
たゆ
)
まず、目まじろがず、佐沼の城を心当に進み行く
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
で、この
惣領
(
そうりょう
)
の教養には、欠くところないつもりだが、ただ、なにぶん東国の一平野に育ったままではと、それのみは彼の母すら不満としていたからだった。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれどもその
夜
(
よ
)
は珍らしく、坂井の主人は四十
恰好
(
かっこう
)
の
髯
(
ひげ
)
のない人であると云う事やら、ピヤノを弾くのは
惣領
(
そうりょう
)
の娘で十二三になると云う事やら、またほかの
家
(
うち
)
の小供が遊びに来ても
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
鶴子の家にはその時既に両親がなく、
惣領
(
そうりょう
)
の兄が実業界では相応に名を知られていたところから、衣食に窮しないだけの資産を鶴子に与えて生涯実家や親類の家へ出入する事を禁じた。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それに夏休みに遊びに行けば多大のお世話になる大伯父さんの
惣領
(
そうりょう
)
だ。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
惣領
(
そうりょう
)
の林太郎様、二十三になる良い息子だが、ブラブラ病いでお引籠りと言うのは世間体の表向きで、その実、お腰元のお組という十九になる綺麗なのとちょうど一と月前の先月の十三日の晩に手に手を
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と十歳になる
惣領
(
そうりょう
)
息子が尋ねた時、日頃貞淑な夫人が
或良人の惨敗
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
惣領
(
そうりょう
)
の
筍
(
たけのこ
)
伸
(
の
)
びや
衣更
(
ころもがえ
)
——
浩郎
(
こうろう
)
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“惣領”の解説
惣領(そうりょう・総領)とは、跡取り、家督相続予定者のこと。武家においては、一族の指揮者、一地域の全所領知行者(屋形・棟梁)を指す。
(出典:Wikipedia)
惣
漢検準1級
部首:⼼
12画
領
常用漢字
小5
部首:⾴
14画
“惣領”で始まる語句
惣領娘
惣領息子