情愛じょうあい)” の例文
何となく、うらぶれた思いでもあるが、夫婦の情愛じょうあいというものをこれほどしみじみとかんじたことはない。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
汝達そちたち談話はなしはようわしにもきこえてました。人間にんげん母子おやこ情愛じょうあいもうすものは、たいていみなああしたものらしく、俺達わしたち世界せかいのようになかなかあっさりはしてらんな。
それにかの女の身ぶりと目つきとは、べつにことばの助けをりる必要ひつようのないほどじゅうぶんにものを言って、そこによけい自然しぜん情愛じょうあいがふくまれているようであった。
親子しんし情愛じょうあい、そう思われるのは無理もないが、すでに、動かし難い幾多の証拠があつまっている」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
快活かいかつ情愛じょうあいがあって、すこしも官吏かんりふうをせぬところから、場中じょうちゅう気受きうけも近郷きんごう評判ひょうばんもすこぶるよろしかった。近郷きんごう農民のうみんはひいきの欲目よくめから、糟谷は遠からずきっと場長じょうちょうになると信じておった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
った親子おやこ情愛じょうあいなどともうすものは、いつまでってもなかなかえてくなるものではないようで、わたくし現在げんざいでも矢張やはちちちちとしてなつかしく、ははははとしてしたわしくかんじます。