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悪感
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おかん
ふりがな文庫
“
悪感
(
おかん
)” の例文
旧字:
惡感
この三名を見ると、克子はなんとなく
悪感
(
おかん
)
を覚えた。とは云え、二人の男は立派な大紳士である。須和康人は鉱山業者で大金満家。
明治開化 安吾捕物:15 その十四 ロッテナム美人術
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
名状しがたい
悪感
(
おかん
)
が、全身を伝わり、手足がわなわなと震えた。彼は、知らずに毒を含んだ人のように、口中のつばを吐き出したかった。
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
昨夕は
悪感
(
おかん
)
発熱して、ひとしきり寝苦しかった。修治さんもおこたにのぼせて発汗。おねまきを更え、湯たんぽをとり替える。
雨の玉川心中:01 太宰治との愛と死のノート
(新字新仮名)
/
山崎富栄
(著)
私は全身に伝わる
悪感
(
おかん
)
を奥歯で噛み締めながら、
尚
(
なお
)
もワイワイと痙攣する両手の指で、青い風呂敷包みを引き拡げた。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
外ではしきりに
悪感
(
おかん
)
がした。舌が重々しくぱさついて、熱のある人のように身体全体が
倦怠
(
けたる
)
かった。彼は自分の脈を取って見て、その早いのに驚ろいた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
いわば眼中に置かぬあしらい方であることが不愉快だと、村正氏もその途端に相応にそれに
悪感
(
おかん
)
を催したのです。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
悪感
(
おかん
)
の覚えられることである、どういうわけであろう、好色なお心であるから、小さい時から手もとで育たなかった娘にはああした心も起こるのであろう
源氏物語:28 野分
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
彼はたまらない
悪感
(
おかん
)
を感じながらも、不思議にその予言に支配されるような気がしてならなかった。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
機が突っ切っている時分から
悪感
(
おかん
)
がして、なんとなく身体がゾクゾクするので、一人で本を読んでいるのを見ると、東京はどこに泊ってるのだ? と、公使が聞かれました。
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
その内に
筑波颪
(
つくばおろ
)
しがだんだん寒さを加え出すと、求馬は
風邪
(
かぜ
)
が元になって、時々熱が
昂
(
たか
)
ぶるようになった。が、彼は
悪感
(
おかん
)
を冒しても、やはり日毎に荷を負うて、
商
(
あきない
)
に出る事を止めなかった。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼は自身の痛ましい愚かさに打たれると、
悪感
(
おかん
)
を感じて身が慄えた。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
そして、
全身
(
ぜんしん
)
に
悪感
(
おかん
)
を
感
(
かん
)
ずるのでありました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ことに二三十分前、京子からその人の話を、きかされていただけに、倭文子は、はげしいショックを受け、身体中が不快な
悪感
(
おかん
)
のためにふるえた。
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
あさましいなどという言葉では言い足りない
悪感
(
おかん
)
を源氏は覚えた。女房たちが近く寄って来る
気配
(
けはい
)
にも、源氏はそれを見現わされはせぬかと胸がとどろいた。
源氏物語:09 葵
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
お銀様は、悪女の文字から来る不快と
悪感
(
おかん
)
とをこらえて、そのことは竜之助に向って一言も言いません。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
如何に人間の弱点を書いたものでも、その弱点の全体を読む内に
何処
(
いずこ
)
にかこれに対する
悪感
(
おかん
)
とか、あるいは別に倫理的の要求とかが読者の心に
萌
(
も
)
え
出
(
い
)
づるような文学でなければならぬ。
教育と文芸
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何時
(
いつ
)
もは、夫の帰るのを考えると、妙に
身体
(
からだ
)
が、引き
緊
(
しま
)
ってムラ/\とした
悪感
(
おかん
)
が、胸を
衝
(
つ
)
いて起るのであったが、今宵に限っては、不思議に夫の帰るのが待たれた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
と両手をすりすり
賽
(
さい
)
を
撒
(
ま
)
く時の
呪文
(
じゅもん
)
を早口に唱えているのに
悪感
(
おかん
)
を覚えながらも大臣は従って来た人たちの人払いの声を手で制して、なおも妻戸の細目に開いた
隙
(
すき
)
から
源氏物語:26 常夏
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
尼になってもこんな美しい人は決して愛人にして
悪感
(
おかん
)
の起こるものではあるまい、かえって心が強く
惹
(
ひ
)
かれることになるであろう、
極秘裡
(
ごくひり
)
にやはりあの人を自分のものにしようと
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
源氏は
悪感
(
おかん
)
を覚えて
源氏物語:20 朝顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
感
常用漢字
小3
部首:⼼
13画
“悪”で始まる語句
悪
悪戯
悪口
悪寒
悪魔
悪辣
悪漢
悪罵
悪戯者
悪業