悪人あくにん)” の例文
旧字:惡人
そしてそれが人間の心境しんきょうに影響すれば、悪人あくにん善人ぜんにんになるであろう。すさんだ人もみやびな人となるであろう。罪人ざいにんもその過去を悔悟かいごするであろう。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
中村君の口まねをしたやつは、悪人あくにんにきまっているが、わたしのまわしたダイヤルで、悪人の電話に、うまくつながるなんて、そんなことはできないことですよ。
鉄塔の怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
成程なるほど先刻さつきみせ田舎者ゐなかもの土左衛門どざゑもんだから、悪人あくにんながらも心持こゝろもちはしない、慄立よだつたが、土左衛門どざゑもん突出つきだしてしまへとふので、仕事師しごとし手鍵てかぎつてたり
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
(いやいや、まてよ。いま、ここでけんかをしたところで、身分みぶんがちがうから、こっちがまけるにきまっている。それに、壱岐いきだって、それほど悪人あくにんではないのだ。)
しかしわれはひときずつそこなやからとはちがふ。幼児をさなごき、あしち、しばつて、これを曝物さらしものに、憐愍あはれみ悪人あくにんどもが世間せけんにある。さればこそいまこの幼児等えうじらて、心配しんぱいいたすのだ。
いろいろ療養りょうようをつくしたが、いかんともしようがなく、いささかの理由りゆうをもって親里おやざとへ帰した。元来がんらいは帰すべきでないものを帰したのであるから、もと悪人あくにんならぬ老人は長く良心りょうしん苦痛くつうにせめられた。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
6 悪人あくにん丸木まるき
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)