くやみ)” の例文
ういう始末でねえお賤さん、御本家へもおくやみあがりましたが、旦那がおなくなりでさぞもう御愁傷でございましょう、ヘエわっちも世話に成った旦那で
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そのおくやみは無用々々、常が常なら梶原が身替くつちやあけえりませぬ、まだそれさへも疑ぐつて、親の命を褒美にくりやう、かたじけねえといふと早、詮義に詮義を
「何を言ふんだ、——お隣だもの、おくやみの一つも言つて、死顏を見て來るが宜い」
黙っていられず、自分も早速さっそくくやみに行った、そして段々だんだん聴いてみると、急病といっても二三日ぜんからわるかったそうだが、とうとう今朝けさ暁方あけがたに、息を引取ひきとったとの事、自分がその姿を見たのも
闥の響 (新字新仮名) / 北村四海(著)
そのきずのある象牙ぞうげの足の下に身を倒して甘いほのおを胸のうちに受けようと思いながら、その胸はあたたまるかわりに冷え切って、くやみもだえや恥のために、身も世もあられぬおもいをしたものが幾人いくたりあった事やら。
びてゆくなまりくやみ、しかすがに
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
長「嘘を吐いて明けるわけじゃアねえが、此家こゝの親方がおめでたく成ったのでくやみに来たんだが、明日あした屹度きっときますから宜しく、また濱田へお使いかえ」
なまぬるきくやみうなり順々つぎつぎ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
鳶「まア、其様そんな長ったらしいくやみあとにしておくんなせえ、さ、粂どん此方こっちへ這入んなよ」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)