息切いきぎ)” の例文
と、息切いきぎれのするまぶたさつと、めたちからはひつて、鸚鵡あうむむねしたとおもふ、くちばしもがいてけて、カツキとんだ小指こゆび一節ひとふし
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「少し用事があるのだよ——私はいよ/\助からないのかも知れない——息切いきぎれがして、胸も張りけさうな氣がしてならない」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
滝は華厳けごんよりも規模は小さいが、思ったよりも好かった。石畳いしだたみの道をのぼって行くと僕は息切いきぎれがした。
遍路 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
岸邊きしべまるくかたまつてゐた兵士へいし集團しふだんはあわててした。わたしもそれにつづいた。そして、途切とぎれに小隊せうたいあとつてやうやくもとの隊伍たいごかへつた。はげしい息切いきぎれがした。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
河は息切いきぎれ、歯軋はぎしりし、そが蒼曇る背をのたくらし