怒号どごう)” の例文
旧字:怒號
それからこっち、お藤は浅草の自宅いえへも帰されずに、離室からは毎日のように左膳の怒号どごうにもつれてお藤の泣き声がれているのだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
呂宋兵衛るそんべえ怒号どごうしたとたんに、ズドンッ! と一発、つづいてまた一発のたま! シュッと、硝煙しょうえんをあげて伊那丸いなまるの耳をかする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
博士は、腕をふり、怒号どごうし、塔を見あげ、それから目を転じて、自分の前においてある大きなガラスの箱の中を見すえる。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
去年の出水には、石狩川が崖上がけうえの道路を越して鉱泉宿まで来たそうだ。このせまい山のかいを深さ二丈も其上もある泥水が怒号どごうして押下った当時のすさまじさが思われる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あの姿が、つまり今の己なのだと思ったとき、嗚咽おえつとも怒号どごうともつかない叫びが彼の咽喉のどを破った。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ばたんばたんという足踏あしぶみの音、怒号どごう潮罵ちょうばはげしくおこりました。
ガドルフの百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それを見るとみんなはなおさらめちゃくちゃに合言葉を怒号どごうした。
同じく船首へさきに突っ立ちながら、正休と一緒に怒号どごうした。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
四大したいのあらび、忌々ゆゆしかる羅刹らせつ怒号どごう
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
つばをとばしながら、彼は宗時の頭をめつけて云った。しかし怒号どごうしただけでは、なお、当惑はりのけられなかった。時政は、庭へ出て行った。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
熊岡警官の怒号どごう諸共もろとも、黒インバネスを着た一人の男が転げこんできた。署員は総立ちになった。「何だ、何だッ」
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
勝入は、徒歩かちだちになって、小高い所へ立ち上がり、せきとして、人影まばらな周囲にたいし、憤然と、怒号どごうしていた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
首領はわれがねのような声で怒号どごうした。これは四馬剣尺の不機嫌ふきげんなときの特徴である。そんなときにうっかりさからうと、毒棒どくぼうの見舞いをうけるおそれがある。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と九郎兵衛は怒号どごうへ向って、怒号をもって答えた。彼は自分の説が、義のない言だとは決して思っていなかった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほっと一息ついて、皆の様子をうかがうと、あっちでもこっちでもものすごい怒号どごう叫喚きょうかんばかり。
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかしまた、今にも一声ウオーッと怒号どごうして、函の中から躍り出しそうな気配にも見えた。
人造人間事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
窮鼠きゅうそねこをかむとはこれだ、すてばちの怒号どごうものものしくも名のりをあげた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なにか、やかましく怒号どごうをしている。そして警笛は、気が違ったようにえている。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
忌々いまいましげに、口のなかでつぶやくと、やにわに、声まで怒号どごうとなって
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
X号は、それからのちは山形警部の怒号どごうにはとりあわなかった。彼は仕事にかかった。彼は、機械人間に命じて、山形警部をおさえつけ、その頭に脳波受信機のうはじゅしんき出力回路しゅつりょくかいろを装置してあるかんむりをかぶせた。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
発狂したような怒号どごうであった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、怒号どごうする声がきこえた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一方で怒号どごうがきこえた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)