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微紅
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うすあか
ふりがな文庫
“
微紅
(
うすあか
)” の例文
むこうの左隅には小さな机があって、その上に
秋海棠
(
しゅうかいどう
)
のような
微紅
(
うすあか
)
い草花の咲いた
鉢
(
はち
)
を乗せてあるのが見えた。
青い紐
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
微紅
(
うすあか
)
い光る雨に、花吹雪を浮かせたように、羽が透き、身が染って、数限りもない赤蜻蛉の、大流れを
漲
(
みなぎ
)
らして飛ぶのが、行違ったり、
卍
(
まんじ
)
に舞乱れたりするんじゃあない、上へ
斜
(
ななめ
)
、下へ斜、右へ斜
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それは
至正庚子
(
しせいこうし
)
の
歳
(
とし
)
に当る上元の夜のことであった。家家の
簷
(
のき
)
に掲げた燈籠に明るい月が
射
(
さ
)
して、その
燈
(
ひ
)
は
微紅
(
うすあか
)
くにじんだようにぼんやりとなって見えた。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
古い柱の
切
(
き
)
れ
端
(
はし
)
のような木の台の上にカンテラの
燈
(
ひ
)
が
微紅
(
うすあか
)
く燃えていた。益雄はその燈の傍へ往って坐った。
草藪の中
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ふと眼を覚ましてみると、電燈の光が
微紅
(
うすあか
)
く
室
(
へや
)
の中を照らしていた。
謙蔵
(
けんぞう
)
はびっくりして眼を
睜
(
みは
)
った。
指環
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
楓は
微紅
(
うすあか
)
い
嫩葉
(
わかば
)
をつけていた。定七はその楓の根元へ三宝を供えて、その前へ
蹲
(
しゃが
)
んで掌を合せた。
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そこには
微紅
(
うすあか
)
い月があって一人の
壮
(
わか
)
い男が己の肩に手をかけていた。広巳は
対手
(
あいて
)
の男を見た。
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
舵
(
かじ
)
が少し狂うと舟は蘆の中へずれて往って青い葉が
船縁
(
ふなべり
)
にざらざらと音をたてた。
微曇
(
うすぐもり
)
のした空から
漏
(
も
)
れている初夏の
朝陽
(
あさひ
)
の光が
微紅
(
うすあか
)
く帆を染めていた。舟は前へ前へと往った。
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
老婆は
一声
(
ひとこえ
)
唸
(
うな
)
るような声を出して、蟇の足を左右に引いた。蟇の
尻尾
(
しっぽ
)
の処が二つに裂けてその血が
裂口
(
さけぐち
)
を
伝
(
つと
)
うてコップの中へ
滴
(
したた
)
り落ちたが、それが底へ
微紅
(
うすあか
)
く生なましく
溜
(
たま
)
った。
蟇の血
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
蛇は上へ上へと登って、やがて
微紅
(
うすあか
)
い
嫩棄
(
わかば
)
に覆われた梢に姿を隠して往った。
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
小供の
背丈
(
せだ
)
けほどもある昼間見ると
藜藿
(
あかざ
)
のような草と
粟粒
(
あわつぶ
)
のような
微紅
(
うすあか
)
い実をつけた草がぎっしり生えた住宅地の入口に、人の足によって通じた
一条
(
ひとすじ
)
の路がうっすらと
微月
(
うすづき
)
の光に見えていた。
女の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
縁側には下半面に朝陽が
微紅
(
うすあか
)
く射していた。
蠅供養
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
微
常用漢字
中学
部首:⼻
13画
紅
常用漢字
小6
部首:⽷
9画
“微”で始まる語句
微笑
微
微塵
微風
微行
微妙
微暗
微酔
微醺
微温