まて)” の例文
渡さんと思ひしがまてしばし主人が八山へ參り町奉行の威光ゐくわうを落すなと仰られしはこゝなりと平石は態と聲高こわだかに拙者は何方いづかたに參るも帶劔を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「我等は其の約束に因りて新しき天と新しき地を望みまてり義その中に在り」とある(彼得ペテロ後書三章十三節)、而して斯かる新天地の現わるる時に
して散々谷間田に誇らせて置てそうだ明日の正午十二時にはサア罪人は何町何番地の何の誰ですと明了めいりょうに言切ッて遣る愉快愉快併しまてよ唯一通りの犯罪と思ッては少し違う
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
わずかの月給の為めに腰を折ッて、奴隷どれい同様な真似をするなんぞッて実に卑屈極まる……しかし……まてよ……しかし今まで免官に成ッて程なく復職した者がないでも無いから
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
引開ひきあけ見ればお光はすでにはや庄兵衞をば刺留しとめつゝ今や自害じがいをなさんとする景樣ありさまなるに大きに慌忙あわてヤレまてしばしと大聲おほごゑあげんとなししが夜隱やいんのこともしも長家へ漏聞もれきこえ目を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
奧田が組下くみした山田やまだ軍平ぐんぺいと云者喜八がかたちを見てあやし曲者くせものまてと聲を掛ながら既にとらへんと喜八の袖をおさへしにぞ喜八は一しやう懸命けんめいと彼の出刄庖丁にて軍平が捕へたる片袖かたそで
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)