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彷彿
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はうふつ
ふりがな文庫
“
彷彿
(
はうふつ
)” の例文
垣根
(
かきね
)
の
近邊
(
ほとり
)
たちはなれて、
見返
(
みかへ
)
りもせず二三
歩
(
ほ
)
すゝめば
遣水
(
やりみづ
)
の
流
(
な
)
がれおと
清
(
きよ
)
し、
心
(
こゝろ
)
こゝに
定
(
さだ
)
まつて
思
(
おも
)
へば
昨日
(
きのふ
)
の
我
(
わ
)
れ、
彷彿
(
はうふつ
)
として
何故
(
なにゆ
)
ゑに
物
(
もの
)
おもひつる
身
(
み
)
ぞ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
人の世の言葉や、思想は、
其
(
そ
)
の神秘的、具象的事相の万一をだに
彷彿
(
はうふつ
)
せしめがたき概あるにあらずや。吾れ
之
(
こ
)
れを思うて、幾たびか
躊躇
(
ちうちよ
)
し、幾たびか
沮喪
(
そさう
)
せり。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
お萩の話はたど/\しいものでしたが、根が悧發な娘らしく、父親の死んだ驚きの中にも、いろ/\の人の話をかき集めて、どうやらその夜の出來事を
彷彿
(
はうふつ
)
させるのでした。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
予はこの遺書を
認
(
したた
)
むるに臨み、
再
(
ふたたび
)
当時の
呪
(
のろ
)
ふ可き光景の、眼前に
彷彿
(
はうふつ
)
するを禁ずる能はず。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夜々
綢繆
(
ちうびう
)
の思ひ絶えざる
彷彿
(
はうふつ
)
一味の調は、やがて絶海の孤島に
謫死
(
てきし
)
したる大英雄を歌ふの壮調となり
五丈原頭
(
ごぢやうげんとう
)
凄惨
(
せいさん
)
の秋を
奏
(
かな
)
でゝは人をして
啾々
(
しうしう
)
の
鬼哭
(
きこく
)
に泣かしめ、時に
鏗爾
(
かうじ
)
たる暮天の鐘に和して
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
貌
(
かほばせ
)
めでたく膚
褐
(
かち
)
いろなる
裸裎
(
らてい
)
の一童子の、傍に立ちてこれを看るさま、
愛
(
アモオル
)
の神童に
彷彿
(
はうふつ
)
たり。人の説くを聞くに、この
境
(
さかひ
)
寒
(
さむさ
)
を知らず、數年前
祁寒
(
きかん
)
と稱せられしとき、塞暑針は猶八度を指したりといふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
唯だ兄の直覚に訴へて御推察を乞ふの外之れなく、今はその万一をだに
彷彿
(
はうふつ
)
する
能
(
あた
)
はず候。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
「きりしとほろ
上人伝
(
しやうにんでん
)
」は古来
洽
(
あまね
)
く欧洲天主教国に
流布
(
るふ
)
した聖人行状記の一種であるから、予の「れげんだ・おうれあ」の紹介も、
彼是
(
ひし
)
相俟
(
あひま
)
つて始めて
全豹
(
ぜんぺう
)
を
彷彿
(
はうふつ
)
する事が出来るかも知れない。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“彷彿”の意味
《名詞》
自然に思い起こされるような印象を与える様。
(出典:Wiktionary)
彷
漢検1級
部首:⼻
7画
彿
漢検1級
部首:⼻
8画
“彷”で始まる語句
彷徨
彷
彷徊
彷弗
彷狒
彷迷
彷遑
彷徨彳亍