嶋田しまだ)” の例文
姿なりこそ嶋田しまだ大人をとなづくらせたれどしようところ人形にんぎやうだいてあそびたきほどの嬰兒ねヽさまがにはかにおちしたさるどうやう、なみだのほかになんかんがへもなくおたみ老婢はしためそでにすがつて
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「雪」の衣裳いしょうの着附がすっかり出来上ったところで、けないように右手で床柱につかまりながら、立ったままでお春に足袋を穿かせてもらっていた妙子は、つぶ嶋田しまだの首は動かさずに
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
むむ美登利さんはな今の先己れの家の前を通つて揚屋町あげやまち刎橋はねばしから這入はいつていつた、本当に正さん大変だぜ、今日はね、髪をかういふ風にこんな嶋田しまだに結つてと、変てこな手つきして
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はづかしく、つゝましきことにあればひとめるはあざけりときゝなされて、嶋田しまだまげのなつかしさにふりかへりひとたちをばわれれをさげすつきとられて、正太しようたさんわたし自宅うちかへるよとふに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)