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密々
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ひそ/\
ふりがな文庫
“
密々
(
ひそ/\
)” の例文
二人は、裏畑の中の材木小屋に入つて、積み重ねた角材に
凭
(
もた
)
れ乍ら、雨に
濕
(
しめ
)
つた新しい木の香を嗅いで、小一時間許りも
密々
(
ひそ/\
)
語つてゐた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
判事は書記に差図を与え目科は警官と
密々
(
ひそ/\
)
語らう最中なりしかば、余は
咎
(
とが
)
められもせず又咎めらる可しと思いもせず、
最
(
いと
)
平気に、
最
(
いと
)
安心して
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
立るとは云ものゝ餘り
物堅
(
ものがた
)
き人かなと文右衞門が
噂
(
うはさ
)
をなし夫に付ても娘お幸は
嘸
(
さぞ
)
かし
辛
(
つら
)
き
勤
(
つと
)
めならんなどと
密々
(
ひそ/\
)
咄
(
はな
)
しの折から親分の武藏屋長兵衞は長八
殿
(
どの
)
家
(
うち
)
にかと聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
平次も妙にギヨツとした心持で立ち
竦
(
すく
)
みました。若い男と女が、納戸の後ろで、何やら
密々
(
ひそ/\
)
と語り合つて居るではありませんか。しかも、二人共、涙を流して居るのです。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
実は
召仕
(
めしつかい
)
のお國と宮野邊の次男源次郎と
疾
(
とく
)
より不義をしていて、
先月
(
あとげつ
)
廿一日お
泊番
(
とまりばん
)
の時、源次郎がお國の
許
(
もと
)
へ忍び込み、お國と
密々
(
ひそ/\
)
話して居る所へうっかり
私
(
わたくし
)
がお庭へ出て参り、様子を聞くと
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
彼等
(
かれら
)
はさういふことをすら
口々
(
くち/″\
)
に
反覆
(
くりかへ
)
しつゝ
密々
(
ひそ/\
)
と
耳語
(
さゝや
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
今朝出社した時、此二人が何か
密々
(
ひそ/\
)
話合つて居て、自分が入ると急に止めた。——それが少からず渠の心を惱ませて居たのだ。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
聞居たりしが
頓
(
やが
)
て一人の男は
相手
(
あひて
)
の肩に
登
(
のぼ
)
りて難なく
塀
(
へい
)
の中へ忍び入り
又
(
また
)
肩
(
かた
)
へ乘たる男は
塀
(
へい
)
の外に待居けるに程なく忍び入たる男出來りて何か
密々
(
ひそ/\
)
と
囁
(
さゝや
)
きしが其の男は西の方を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
先に立つ
女兒
(
こども
)
等の心々は、まだ何か恐怖に囚はれてゐて、手に手に小い螢籠を携へて、
密々
(
ひそ/\
)
と露を踏んでゆく。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
しながら
片隅
(
かたすみ
)
へより何か
密々
(
ひそ/\
)
咄
(
はな
)
し
合
(
あひ
)
直
(
つい
)
と半四郎の
側
(
そば
)
へより是もし
息子
(
むすこ
)
さん御前は是から何處へ行つしやると云に半四郎は何心なく
私
(
わた
)
しは是から夜通しに松山迄參りますと云つゝ
胴卷
(
どうまき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何か
密々
(
ひそ/\
)
話し合つて笑つた事、菊池君が盃を持つて立つて來て、西山から聲をかけられた時、怎やら私達の所に坐りたさうに見えた事、
雀躍
(
こをどり
)
する樣に身體を搖がして
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
密々
(
ひそ/\
)
と話聲が起りかけた。健は後ろの方から一つ咳拂ひをした。話聲はそれで又鎭まつた。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それでも仲々
階下
(
した
)
にさへ
降
(
お
)
り
澁
(
しぶ
)
つて、
二人限
(
きり
)
になれば何やら
密々
(
ひそ/\
)
話合つては、袂を口にあてて聲立てずに笑つてゐたが、夕方近くなつてから、お八重の發起で街路へ出て見た。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
左
(
さ
)
う
右
(
か
)
うしてるうちに、一人二人と他の水汲が集つて來たので、二人はまだ何か
密々
(
ひそ/\
)
と語り合つてゐたが、軈て
滿々
(
なみ/\
)
と水を汲んで擔ぎ上げた。そして、すぐ二三軒先の權作が家へ行つて
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
密
常用漢字
小6
部首:⼧
11画
々
3画
“密々”で始まる語句
密々話