“寂(ひつそ)” の例文
神楽坂(かぐらざか)へかゝると、寂(ひつそ)りとした路(みち)が左右の二階家(にかいや)に挟(はさ)まれて、細長(ほそなが)く前(まへ)を塞(ふさ)いでゐた。中途迄上(のぼ)つて来(き)たら、それが急に鳴り出(だ)した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
驛路(えきろ)の馬(うま)の鈴(すゞ)の音(おと)、しやんと來(く)る道筋(みちすぢ)ながら、時世(ときよ)といひ、大晦日(おほみそか)、道中(だうちう)寂(ひつそ)りとして、兩側(りやうがは)に廂(ひさし)を並(なら)ぶる商賈(しやうこ)の家(いへ)、薪(まき)を揃(そろ)へて根占(ねじめ)にしたる、門松(かどまつ)を早(は)や建(た)て連(つら)ねて、歳(とし)の神(かみ)を送(おく)るといふ
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)