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媼
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うば
ふりがな文庫
“
媼
(
うば
)” の例文
が、孫八の
媼
(
うば
)
は、その秋田辺のいわゆる(おかみん)ではない。
越後路
(
えちごじ
)
から
流漂
(
るひょう
)
した、その頃は色白な年増であった。呼込んだ孫八が、九郎判官は恐れ多い。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
宇平の姉りよは叔母婿原田方に引き取られてから、墓参の時などには、
樒
(
しきみ
)
を売る
媼
(
うば
)
の世間話にも耳を傾けて、敵のありかを聞き出そうとしていたが、いつか
忌
(
いみ
)
も明けた。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
ふるさとに金葉集をあづけ来ぬ
神社
(
みや
)
に
土座
(
どざ
)
する
乞食
(
かたゐ
)
の
媼
(
うば
)
に
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
ちょっとした
葭簀張
(
よしずばり
)
の茶店に休むと、
媼
(
うば
)
が口の長い
鉄葉
(
ブリキ
)
の
湯沸
(
ゆわかし
)
から、渋茶を
注
(
つ
)
いで、
人皇
(
にんのう
)
何代の
御時
(
おんとき
)
かの箱根細工の木地盆に、
装溢
(
もりこぼ
)
れるばかりなのを差出した。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
媼
(
うば
)
の形相は、絵に描いた
安達
(
あだち
)
ヶ原と思うのに、
頸
(
くび
)
には、狼の
牙
(
きば
)
やら、狐の目やら、
鼬
(
いたち
)
の足やら、つなぎ合せた
長数珠
(
ながじゅず
)
に
三重
(
みえ
)
に
捲
(
ま
)
きながらの指図でござった。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
その
尾花
(
をばな
)
、
嫁菜
(
よめな
)
、
水引草
(
みづひきさう
)
、
雁來紅
(
ばげいとう
)
をそのまゝ、
一結
(
ひとむす
)
びして、
處々
(
ところ/″\
)
にその
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
を
屋根
(
やね
)
に
葺
(
ふ
)
いた
店小屋
(
みせごや
)
に、
翁
(
おきな
)
も、
媼
(
うば
)
も、ふと
見
(
み
)
れば
若
(
わか
)
い
娘
(
むすめ
)
も、あちこちに
線香
(
せんかう
)
を
賣
(
う
)
つてゐた。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
淡
(
うす
)
いふすぼりが、
媼
(
うば
)
の手が榊を清水にひたして冷すうちに、ブライツッケルの
冷罨法
(
れいあんぽう
)
にも
合
(
かな
)
えるごとく、やや青く、薄紫にあせるとともに、
乳
(
ち
)
が銀の露に汗ばんで、濡色の
睫毛
(
まつげ
)
が生きた。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と云って、独りで
媼
(
うば
)
は
頷
(
うなず
)
いた。問わせたまわば、その
仔細
(
しさい
)
の儀は承知の趣。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
媼
(
うば
)
は、罪と
報
(
むくい
)
を、且つ悟り且つあきらめたようなものいい。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“媼”の意味
《名詞》
(おうな、古語)老齢の女性、老婆。
(出典:Wiktionary)
媼
漢検1級
部首:⼥
13画
“媼”を含む語句
老媼
翁媼
乳媼
中臣志斐媼
当麻語部媼
老媼茶話
爺媼
媼巫女
日本媼
當麻語部媼
韓媼
茸媼
置目老媼
白媼
村媼
媼達
媼様
媼内
周旋老媼
傭媼