“越後路”の読み方と例文
読み方割合
えちごじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そう言って呼んでくる声を聞くようになりますと、さすがに山家やまがもいい陽気に向かいます。越後路えちごじからの女のわかめ売りの声です。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
が、孫八のうばは、その秋田辺のいわゆる(おかみん)ではない。越後路えちごじから流漂るひょうした、その頃は色白な年増であった。呼込んだ孫八が、九郎判官は恐れ多い。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
旅の男というのは、鼻かけ卜斎ぼくさい八風斎はっぷうさいであった。越後路えちごじへむかっていくかれは、蛾次郎がじろうを見うしなって、ひとりとなり、昨夜ゆうべはこの部落で、一夜をあかした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)