姉君あねぎみ)” の例文
其の病の原因もとはと、かれく知る友だちがひそかに言ふ、仔細あつて世をはようした恋なりし人の、其の姉君あねぎみなる貴夫人より、一挺いっちょう最新式の猟銃をたまはつた。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
つまり天津日継あまつひつぎ皇子みこ彦火々出見命様ひこほほでみのみことさまが、姉君あねぎみ御婿君おんむこぎみにならせられた事実じじつ現世げんせ人達ひとたちれきいて、あんな不思議ふしぎ浦島太郎うらしまたろうのお伽噺とぎばなしつくあげげたのでございましょう。
ふみふところにして令孃ひめ部屋へやときは、すゑ姉君あねぎみ此處こヽにありて、お細工物さいくもの最中もなかなるに、いませてはるかるべしと、情實わけもとよりはずなけれど、吾助ごすけともはであそけるが
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
お一方の御子ワチツミの命は淡路の御井みいの宮においでになり、姫宮がお二方おありになりました。その姉君あねぎみはハヘイロネ、またの名はオホヤマトクニアレ姫の命、妹君はハヘイロドです。
白菊に幾つ姉君あねぎみなりしかと
七百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
本箱ほんばこをさがして、むらさきのおん姉君あねぎみの、第七帖だいしちでふすのも仰々ぎやう/\しからう。……炬燵こたつすべつてあるきさうな、膝栗毛ひざくりげぞく木曾街道きそかいだう寢覺ねざめのあたりに、一寸ちよつとはさんで。……
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)