トップ
>
妹背山
>
いもせやま
ふりがな文庫
“
妹背山
(
いもせやま
)” の例文
妹背山
(
いもせやま
)
の両
床
(
ゆか
)
で、大判司の人形は国五郎、太夫は綾瀬、
定高
(
さだか
)
の人形は伊三郎、太夫は播磨という時にもやはり大入りであった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「そういう奴を見なけりゃあ話にならない、
明日
(
あした
)
の出し物は
妹背山
(
いもせやま
)
だそうだから、こいつはちょっと
見物
(
みもの
)
だろうよ」
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
……
妹背山
(
いもせやま
)
の
言立
(
いひた
)
てなんぞ、
芝居
(
しばゐ
)
のは
嫌
(
きら
)
ひだから、
青
(
あを
)
ものか、
魚
(
さかな
)
の
見立
(
みた
)
てで
西
(
にし
)
の
海
(
うみ
)
へさらり、などを
聞
(
き
)
くと、
又
(
また
)
さつ/\と
行
(
ゆ
)
く。おん
厄
(
やく
)
拂
(
はら
)
ひましよな、
厄落
(
やくおと
)
し。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「まるで
妹背山
(
いもせやま
)
だ、——ところで、物干臺から落ちて死んだに間違ひがなきや、下手人は腐つた
手摺
(
てすり
)
か何んかだらう。十手よりは出入りの大工の方に御用ぢやないか」
銭形平次捕物控:230 艶妻伝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
袘
(
ふき
)
の厚い大名縞の
褞袍
(
どてら
)
に
小
(
こ
)
弁慶のしたうまを重ね、
妹背山
(
いもせやま
)
の漁師鱶七のように横柄に着膨れて谷川に沿った一本道を歩いて行ったが、どこまで行っても山の
斜面
(
なぞえ
)
と早瀬の音。
生霊
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
今
一言
(
ひとこと
)
……今一言の言葉の関を、
踰
(
こ
)
えれば先は
妹背山
(
いもせやま
)
、
蘆垣
(
あしがき
)
の間近き人を恋い
初
(
そ
)
めてより、昼は
終日
(
ひねもす
)
夜は
終夜
(
よもすがら
)
、唯その人の
面影
(
おもかげ
)
而已
(
のみ
)
常に
眼前
(
めさき
)
にちらついて、
砧
(
きぬた
)
に映る軒の月の
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
天下茶屋でも、
妹背山
(
いもせやま
)
でも、日蓮記でも、菅原伝授手習鑑でも、すべて序から
大尾
(
たいび
)
まで、つまり竹田出雲や近松浄瑠璃集にある通りを
院本
(
まるほん
)
どおりそっくり上演するのであった。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あれ、あれをご覧なさい、あすこに見えるのが
妹背山
(
いもせやま
)
です。左の方のが妹山、右の方のが背山、———」
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
主なる俳優は市川八百蔵、市川寿美蔵、市川新蔵、中村伝五郎、嵐和三郎、中村勘五郎、中村鶴蔵、岩井松之助などという顔触れで、一番目狂言は「
妹背山
(
いもせやま
)
」と「
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
」のテレコ。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
芝居道でいえば、「寺子屋」の
春藤玄蕃
(
しゅんどうげんば
)
が赤い
裃
(
かみしも
)
を着て威張ったり、「鎌倉三代記」の時姫がお振り袖をジャラジャラさせ、「
妹背山
(
いもせやま
)
」の
鱶七
(
ふかしち
)
が長裃を着けるのと、同じ筆法と御許しを願いたい。
随筆銭形平次:13 平次身の上話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
川を
隔
(
へだ
)
てて、こちらの岸の方のが妹山、向うの岸の方のが背山、———
妹背山
(
いもせやま
)
婦女庭訓
(
おんなていきん
)
の作者は、恐らくここの実景に接してあの構想を得たのだろうが、まだこの辺の
川幅
(
かわはば
)
は
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そのときの狂言は一番目が「
妹背山
(
いもせやま
)
」の吉野川、
道行
(
みちゆき
)
、御殿、中幕が「
矢口渡
(
やぐちのわたし
)
」、二番目が新作の「
伊勢音頭
(
いせおんど
)
」で、一番目の吉野川では団十郎の
定高
(
さだか
)
、芝翫の
大判事
(
だいはんじ
)
、左団次の
久我之助
(
こがのすけ
)
、福助の雛鳥。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
老人は昨日、これとお経の読みかたとを習うために惜しいところで
妹背山
(
いもせやま
)
の芝居を切り上げて、九時から十二時近くまで熱心に教わっていたので、要もお附合いに節をおぼえてしまったのである。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その二
妹背山
(
いもせやま
)
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
妹
常用漢字
小2
部首:⼥
8画
背
常用漢字
小6
部首:⾁
9画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“妹背山”で始まる語句
妹背山婦女庭訓