トップ
>
大胯
>
おおまた
ふりがな文庫
“
大胯
(
おおまた
)” の例文
彼は息もつけないで、胸に手をあてて
動悸
(
どうき
)
を押ししずめようとしていた。彼は
大胯
(
おおまた
)
に歩き回った。コゼットを抱いて言った。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼は傾斜に引かれてほとんど駆けながら、
大胯
(
おおまた
)
に歩を運んでいた。散歩の初めから頭につきまとってた律動をもってる一句を、彼は歌っていた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
お
城用達
(
しろようたし
)
の町人大津屋十右衛門は、せかせかと
大胯
(
おおまた
)
に歩いていた足を止めて、濠端の暗がりから歯を見せて近づいて来る笑い顔を、振り向いた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
車掌のような帽子に裾の長い
軽外套
(
ダスタア
)
を羽織った椅子代あつめの多くは老人が、緑いろの展開のあいだをゆっくり
大胯
(
おおまた
)
にあるいているのを見かける。
踊る地平線:03 黄と白の群像
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
その足跡は前のと入れ違いになっているが今度は爪先ばかりでなく踵の跡もチャンと附いてずっと
大胯
(
おおまた
)
になっている。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
一日に十里も歩けば、二日目は骨である。二人は
大胯
(
おおまた
)
に歩いた。
蒸暑
(
むしあつ
)
い日で、二人はしば/\額の汗を
拭
(
ぬぐ
)
うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
一人の
聡明
(
そうめい
)
そうな怪物が、悟浄に向かい、
真面目
(
まじめ
)
くさって言うた。「真理とはなんぞや?」そして
渠
(
かれ
)
の返辞をも待たず、
嘲笑
(
ちょうしょう
)
を口辺に浮かべて
大胯
(
おおまた
)
に歩み去った。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
寒い廊下を
大胯
(
おおまた
)
で行きつ戻りつ、何か自分が、いま、ひどい屈辱を受けているような、世界のひとみんなからあざ笑われているような、いても立っても居られぬ気持で
火の鳥
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
私は通学の途中、先生が散歩していられるのを折々見かけた。太い兵児帯を無造作に巻きつけて、何物かに駆り立てられているかのように、急いで
大胯
(
おおまた
)
で歩いて行かれた。
西田先生のことども
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
私は覚えているが、彼が
大胯
(
おおまた
)
に歩いてゆくにつれてその後に彼の息が煙のように残っていた。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
苦笑と共に藤吉は、死んだ気の伝二郎を引っ立てて
大胯
(
おおまた
)
に進んだ。ぱったり出遇った。
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
山三郎は圖書を小脇に掻い込んだまゝ
大胯
(
おおまた
)
に歩いて庭に下りようと致します。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
朝商売
(
あさあきない
)
の帰りがけ、荷も天秤棒も、腰とともに
大胯
(
おおまた
)
に振って来た三人づれが、蘆の横川にかかったその橋で、私の提げた
笊
(
ざる
)
に
集
(
たか
)
って、口々に
喚
(
わめ
)
いて
囃
(
はや
)
した。そのあるものは霜こしを指でつついた。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして娘はほとんど無一文の状態で残されたらしかった。クリストフは
大胯
(
おおまた
)
に階段を上がっていって、
扉
(
とびら
)
が開け放してある四階の部屋にはいり込んだ。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そう云って
大胯
(
おおまた
)
に立ち去ってゆく二人を主税は止めなかった。当惑と、悲しみとに、紅顔は涙に黒くよごれた。父も母もない
家
(
うち
)
の灯には、何の魅力もなかった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
併
(
しか
)
し表面は飽くまでも平静を装うていた。今の電車から降りた官吏や、学生や、労働者らしいものが十二三人急いで行くのに混じって、悠々と
大胯
(
おおまた
)
に踏切を越えた。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼は内ポケットから財布を取出して、中を
検
(
あらた
)
めると、再びそれをしまった。それから、自分の興奮と動悸とを静めるために、ことさらに
大胯
(
おおまた
)
に、今おりて来た坂道をまた登りはじめた。
プウルの傍で
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
手拭を右の手に握り、甕から少しはなれた所に下駄を脱いで、下駄から直に
大胯
(
おおまた
)
に片足を甕に踏み込む。
呀
(
あ
)
、
熱
(
あつ
)
、と云いたい位。つゞいて一方の足も入れると、一気に
撞
(
どう
)
と
尻餅
(
しりもち
)
搗
(
つ
)
く様に
坐
(
す
)
わる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
クリストフはその悲しみの種を聞く
隙
(
ひま
)
もなかった。彼は
大胯
(
おおまた
)
に階段をまたぎ降り、フォーゲル一家のもとに押しかけていった。彼は憤りに燃えたっていた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と、その男は、一学の姿を見かけて
大胯
(
おおまた
)
に入って来た。ちょっと彼も見違えていたのである。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼はそこに何か見付けたらしく、
大胯
(
おおまた
)
に其の窓の前に歩いて行った。私も彼について行って
覗
(
のぞ
)
いて見た。それは新発売の性器具の広告で、見本らしいものが黒い布の上に並べられていた。
虎狩
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
こんな風に自問自答しているうちに私は応接間へ
大胯
(
おおまた
)
で帰って来た。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
東京が文化が
大胯
(
おおまた
)
に歩いて来ました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そして冷たい空気を呼吸しながら、
大胯
(
おおまた
)
に歩き回った。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
胯
漢検1級
部首:⾁
10画
“大”で始まる語句
大
大人
大事
大袈裟
大分
大切
大抵
大概
大方
大丈夫