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塵紙
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ちりがみ
ふりがな文庫
“
塵紙
(
ちりがみ
)” の例文
懐中
(
ふところ
)
から
塵紙
(
ちりがみ
)
を
出
(
だ
)
して四つに
折
(
を
)
つて
揚子箸
(
やうじばし
)
で
手探
(
てさぐ
)
りで、
漸
(
や
)
うく
餅
(
もち
)
を
挟
(
はさ
)
んで
塵紙
(
ちりがみ
)
の
上
(
うへ
)
へ
載
(
の
)
せて
忰
(
せがれ
)
幸之助
(
かうのすけ
)
へ渡して自分も一つ取つて、乞
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お雪は笑いながら、
懐紙
(
ふところがみ
)
を出してくれました。まことにありきたりの
塵紙
(
ちりがみ
)
ですが、新助の死体の下にあった浅草紙とは違います。
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その上に琉球
唐紙
(
からかみ
)
のような下等の紙を用い、興に乗ずれば
塵紙
(
ちりがみ
)
にでも浅草紙にでも
反古
(
ほご
)
の裏にでも竹の皮にでも
折
(
おり
)
の
蓋
(
ふた
)
にでも何にでも描いた。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
ついでにその蛍を
掴
(
つか
)
まえて、———手を這われると気味が悪いので、
塵紙
(
ちりがみ
)
を円めてそうっと包んで、———雨戸の無双窓の
隙間
(
すきま
)
から外へ放したが、見ると
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
使いかけの赤、黒のインク壺、硯、その他
塵紙
(
ちりがみ
)
や古雑誌のゴタゴタしている真中に、黒く足跡のついた上草履が、誰かのいたずらで、きっちり並べられてある。
日は輝けり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
塵紙
(
ちりがみ
)
を二つに切って置いて使ったり、用事を葉書で済ますために、顕微鏡がなくては読まれぬような字を書いたりするのは、どの人にも共通している性質だろうが
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
客の喰べ残した料理の皿でタバコを
揉
(
も
)
み消したり、ルージュの付いた
塵紙
(
ちりがみ
)
を突込んだり、マッチの棒、爪楊枝、
洟
(
はな
)
をかんだ紙、その他もろもろの物品を投げ入れる癖がある。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
お作の
宅
(
うち
)
は、その町のかなり大きな荒物屋であった。
鍋
(
なべ
)
、
桶
(
おけ
)
、瀬戸物、シャボン、
塵紙
(
ちりがみ
)
、
草履
(
ぞうり
)
といった物をコテコテとならべて、
老舗
(
しにせ
)
と見えて、
黝
(
くろず
)
んだ太い柱がツルツルと光っていた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
その草は毒草で根もやはり毒です。その根は白い色で
繊維
(
せんい
)
が沢山ある。その繊維でもって紙を製造します。紙質は随分強いが真っ白な紙はない。少し黒くって日本の
塵紙
(
ちりがみ
)
のようなものである。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
そう云って、
塵紙
(
ちりがみ
)
にこまかく包んだ金を松田さんは私の帯の間に
挾
(
はさ
)
んでくれている。私は肩上げのとってない昔風な羽織を気にしながら、妙にてれくさくなってふりほどいて電車に乗ってしまった。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
三畳の隅っこに、
蜜柑箱
(
みかんばこ
)
が一つ、
行灯
(
あんどん
)
が一つ、蜜柑箱は机の代りになるらしく、その上に
硯箱
(
すずりばこ
)
が置いてあって、箱の中には、手習をした
塵紙
(
ちりがみ
)
が二十枚ばかり重ねてあります。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は船で使う草履や、
塵紙
(
ちりがみ
)
、鉛筆、雑記帳などを買うとか、また、ときたま食事をしに寄る程度だし、そんな場合にもおさいに話しかけるのはおろか、眼をあげて顔を見ることさえなかった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
三疊の隅つこに、蜜柑箱が一つ、
行燈
(
あんどん
)
が一つ、蜜柑箱は机の代りになるらしく、その上に
硯箱
(
すゞりばこ
)
が置いてあつて、箱の中には、手習をした
塵紙
(
ちりがみ
)
が二十枚ばかり重ねてあります。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は船で使う草履や、
塵紙
(
ちりがみ
)
、鉛筆、雑記帳などを買うとか、また、ときたま食事をしに寄る程度だし、そんな場合にもおさいに話しかけるのはおろか、
眼
(
め
)
をあげて顔を見ることさえなかった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
まことにあり來りの
塵紙
(
ちりがみ
)
ですが、新助の死體の下にあつた淺草紙とは違ひます。
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三尺の押入を開けると、上は夜の物、下は
竹行李
(
たけがうり
)
が一つ、
蓋
(
ふた
)
をあけると、中から着換が二三枚と、新しい手拭と三尺と、
塵紙
(
ちりがみ
)
が少々、それに小錢の少し入つた
財布
(
さいふ
)
と、紙の包が一つあります。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“塵紙(ちり紙)”の解説
ちり紙・塵紙(ちりがみ、ちりし)は、和紙の一種。
(出典:Wikipedia)
塵
漢検準1級
部首:⼟
14画
紙
常用漢字
小2
部首:⽷
10画
“塵”で始まる語句
塵
塵埃
塵芥
塵塚
塵取
塵除
塵溜
塵芥箱
塵界
塵箱