埋立うめた)” の例文
此學校このがつこう敷地しきちは、數年前すうねんぜん水田すいでん埋立うめたてゝつくられたものであつて、南北なんぼくなが水田すいでん一區域いちくいきなかに、半島はんとうかたちをなして西にしからひがし突出とつしゆつしてゐた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
其の頃葭葦よしあしえて居たのを埋立うめたったから葭原よしわらというのだが、後に江戸繁昌を祝してよしの字を書いて、吉原と読ませるんだという事を聞いてるが
私はさうした光景を見て、この分ではひよつとすると、めざす窟なんぞはとうに埋立うめたてられ、石塔は敷石にでもなつて居はすまいかと心配になり、大急ぎで上へ登つた。
ハビアン説法 (新字旧仮名) / 神西清(著)
小径に沿うては田圃たんぼ埋立うめたてた空地あきちに、新しい貸長屋かしながやがまだ空家あきやのままに立並たちならんだ処もある。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
限り無い慾の恐ろしさ、下々の難儀も顧みず、無暗むやみに手荒な改革を思い立たれ、それを手柄と思って居られる、今度は印旛沼いんばぬま埋立うめたてじゃ、江戸十里四方の土地の召し上げじゃと
礫心中 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
つゆすくないのを、百間堀ひやくけんぼりあられふ。田螺たにしおもつたら目球めだまだと、おなかくなり。百間堀ひやくけんぼりしろほりにて、意氣いき不意氣ぶいきも、身投みなげおほき、ひるさびしきところなりしが、埋立うめたてたればいまはなし。電車でんしやとほる。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
小径こみちに沿うては田圃たんぼ埋立うめたてた空地あきちに、新しい貸長屋かしながやがまだ空家あきやのまゝに立並たちならんだところもある。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)