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ふりがな文庫
“
取潰
(
とりつぶ
)” の例文
また御政治の方針からいっても、大藩の
封地
(
ほうち
)
は、できる限り、
削
(
けず
)
り取るか、
取潰
(
とりつぶ
)
すか、せねばならぬ。その大きな後始末が残っている
柳生月影抄
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
青江備前守が時々吉原へ遊びに来ることを知って居るから、あの高慢な頭の髷を切って、青江の家を
取潰
(
とりつぶ
)
させる気になったのだ。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「否というより、然りと云うほうが自然だろう、元和このかた、大名
取潰
(
とりつぶ
)
しは幕府の根本政策の一つであり、その主脳は伊豆守であった」
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
刃傷
(
にんじょう
)
でもすれば喧嘩両成敗、氏郷も政宗も
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(
とりつぶ
)
されて終うし、自分も大きな
越度
(
おちど
)
である。二桃三士を殺すの
計
(
はかりごと
)
とも異なるが、一席の会合が三人の身の上である。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「それは
浅見
(
せんけん
)
じゃ、やがて御当家は御
取潰
(
とりつぶ
)
し、これは免れぬ御運じゃ」
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
▼ もっと見る
放埒
(
ほうらつ
)
だけならまだしも助かるが、
殊更
(
ことさら
)
、幕府の
忌諱
(
きき
)
に触れるような所行ばかりする。政道に不平を抱いているかのように
推測
(
おしはか
)
られ、幕府の諸侯
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(
とりつぶ
)
しの政策に口実を与えるような危険な状態になった。
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
原士の残る者たちは、阿波本国の
取潰
(
とりつぶ
)
しと聞いて、闘う気もくじけ、いつのまにか三位卿の死骸を抱えて、麓のほうへ逃げ散っていた。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
青江備前守が時々吉原へ遊びに來ることを知つて居るから、あの高慢な頭の髷を切つて、青江の家を
取潰
(
とりつぶ
)
させる氣になつたのだ。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
第一は主家の改易であった、その年、つまり
寛永
(
かんえい
)
四年正月、
下野守忠郷
(
しもつけのかみたださと
)
が二十五歳で
病歿
(
びょうぼつ
)
すると、
嗣子
(
しし
)
の無いことが原因で会津六十万石は
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(
とりつぶ
)
しとなった。
日本婦道記:二十三年
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
従来しばしば
取潰
(
とりつぶ
)
しにかかった官軍といえど、生きて還った
例
(
ためし
)
がない——と、までいわれている巨大な“無法者地帯の
浮巣
(
うきす
)
”だったのだ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
併
(
しか
)
し、後年金森家が
取潰
(
とりつぶ
)
されたのは、こんなつまらない事が幾つも/\重つて、公儀の心證を惡くしたこともその原因の一つだつたのです。
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一ノ関は「
取潰
(
とりつぶ
)
し」を主張し、岩沼は「旧のまま」といい、自分は「半知にて家名を立てよう」という意見を述べたが、いまに到ってもまだ決定していない。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「美濃国郡上、越前国大野、三万八千石の百姓何万人を、地獄の苦しみから救う為に、見事金森家を
取潰
(
とりつぶ
)
す気になられぬか」
奇談クラブ〔戦後版〕:09 大名の倅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこで弦之丞様が、首尾よく甲賀世阿弥に会って、何ぞ、蜂須賀家の急所を押すような証拠をつかんでおいでになれば、即座に、阿波二十五万石はお
取潰
(
とりつぶ
)
しとくる段取になっている。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
松倉屋が
取潰
(
とりつぶ
)
され、五郎兵衛が孫娘と二人で山へ隠れたとき炭焼きを始めるまでの世話をしたのは彼であるが、五年まえに病死したあと、その小屋は住む者もなく、朽ちるままになっていた。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
大塚御薬園は、その後まもなく
取潰
(
とりつぶ
)
しになり、
天和
(
てんな
)
元年護国寺建立の敷地として召上げられた事は人の知るところです。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
徳島城の
城地没収
(
じょうちぼっしゅう
)
、二十五万石
取潰
(
とりつぶ
)
しの審議が
老中議判
(
ろうじゅうぎはん
)
となった時、唯一の証拠である、
世阿弥
(
よあみ
)
血筆の秘帖の一部が裂きとられてあったため、そこの数ヵ条の
肝腎
(
かんじん
)
な個所が不明となり
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
取潰
(
とりつぶ
)
してきたことは知っております、しかしそれはすでに終ったことであって、いまなおそのような策謀があり、ことに仙台という由緒ある大藩に手をつける、などということがあるでしょうか
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
大塚御藥園は、その後間もなく
取潰
(
とりつぶ
)
しになり、
天和
(
てんな
)
元年護國寺建立の敷地として召上げられた事は人の知るところです。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
なぜならば、いまや随所に、大小の旧地方豪族を
取潰
(
とりつぶ
)
している最中だった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御墨付が出なければ、そうでなくてさえ公儀に
睨
(
にら
)
まれている大場家は明日とも言わず御
取潰
(
とりつぶ
)
しになりましょう。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お駒とお由利は、
由緒
(
ゆいしょ
)
ある大家の
息女
(
むすめ
)
だった。ここ数年間に、
取潰
(
とりつぶ
)
された犠牲大名のうちの一家、加藤忠広の家老加藤淡路守の
遺子
(
わすれがたみ
)
で——先に死んだ綾部大機は、忠義無類なその家来であった。
柳生月影抄
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
証拠は迷子札——いやまだまだ沢山ある。吉田、園山両家は、七日経たないうちに
取潰
(
とりつぶ
)
される——どうだ御両人
銭形平次捕物控:051 迷子札
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
近くお
取潰
(
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)
しのお
沙汰
(
さた
)
であろうぞ!
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
事実は全くその通りで、北条家は
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(
とりつぶ
)
し、萩野は間もなく岩井家に縁付いて、幸せに送りました。
銭形平次捕物控:126 辻斬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それでは裏の畠の
石灯籠
(
いしどうろう
)
の下に父親が、なんか埋めたに違いない。日光山御造営のことで、江島屋
取潰
(
とりつぶ
)
しのうわさのあったころだから何千両という金を埋めたかも知れないと
銭形平次捕物控:338 初姿銭形平次 八五郎手柄始め
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「馬鹿だなア、丸橋忠弥の道場はとうの昔に
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(
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)
して、床の下まで掘り返したはずだ。そんな穴蔵なんか残っているものか、そいつは盗み溜めた金に決っているじゃないか」
銭形平次捕物控:124 唖娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
最上
(
もがみ
)
のお家を
取潰
(
とりつぶ
)
したのも、御先代が怪しい御最期を遂げられたのも、みんな
山野辺右衛門
(
やまのべえもん
)
様をはじめ、
楯岡
(
たておか
)
などの仕業に相違ない、お家の潰れるのも構わず公儀に楯をついて
十字架観音
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あんまり早まって殺すと、万一跡取りが出来ないために、庄司家が
取潰
(
とりつぶ
)
しになっちゃ元も子もなくなるから、跡取りが決って安心となるまでは、お組はとにかく若様を殺す気づかいはない——
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
潰
常用漢字
中学
部首:⽔
15画
“取”で始まる語句
取
取出
取縋
取柄
取除
取次
取敢
取交
取做
取付