加藤かとう)” の例文
徳大寺とくだいじ家の密使をはじめ、加担の西国大名、筑後ちくご柳川やながわ大洲おおず加藤かとう金森かなもり鍋島なべしま、そのほかの藩から、それぞれの使者が徳島城に集まって
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「豊家を亡ぼし、無辜の民を殺し、加藤かとう福島ふくしま、その他の大小名を取潰した、徳川とくがわ家の横暴無道、眼に余ることばかり」
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
幸い加藤かとう静子さんはおまえもよく知っているとおり、わが家へ長く通って来て気心もよくわかっていますから、川越のにいさんにとうさんから直接に交渉して
再婚について (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わが留守に浪子は貴族院議員加藤かとうなにがし媒酌ばいしゃくにて、人もあるべきにわが従弟いとこ川島武男と結婚の式すでに済みてあらんとは! 思わぬ不覚をとりし千々岩は、腹立ちまぎれに
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
加藤かとう内閣ができるはずに聞いていたのが、急に寺内てらうち内閣が成立しそうなという話なので、平生当面の時事には無関心のこの物語の筆者も、ちょっとだまされたような気持ちがする。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
わたしば花むしろのうえに坐って、「地震加藤かとう」の舞台を考えたりしていた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「そうですか。貴郎あなたが林さんですか。加藤かとうさんからこの間その話がありました。紹介状しょうかいじょうを一つ書いてあげましょう」こう言って、きたないすずり箱をとり寄せて、何かしきりに考えながら、長く黙って
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
ぼろ洋服を着た男爵加藤かとうが、今夜もホールに現われている。彼は多少キじるしだとの評がホールの仲間にあるけれども、おそらくホールの御連中にキ的傾向を持っていないかたはあるまいと思われる。
号外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ねへ美登利みどりさん今度こんどしよ寫眞しやしんらないか、れはまつりのとき姿なりで、おまへ透綾すきやのあらじま意氣いきなりをして、水道尻すいだうじり加藤かとうでうつさう、龍華寺りうげじやつ浦山うらやましがるやうに、本當ほんたうだぜ彼奴あいつ屹度きつとおこるよ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
イヤ加藤かとう君、今日はお𧘕𧘔かみしもで何事に出て来たのかとうと
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
壮漢そうかん木村又蔵きむらまたぞうとならんで、加藤かとう龍虎りゅうこといわれている井上大九郎。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)