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ひょうきんもの
ふりがな文庫
“
剽軽者
(
ひょうきんもの
)” の例文
杉浦のような一本調子の向う見ずの
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
が、ぐんぐん突っ込んで行くところが、かえってああした人たちの気に入るのに違いない。
M侯爵と写真師
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「いよう、
黒外套
(
くろがいとう
)
の哲学者先生。お久しぶりですな。」
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
の一羽の雀は
心安立
(
こころやすだて
)
と御機嫌とりとからこんな風に呼びかけました。
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
須永の母はなお「あんな顔はしておりますが、見かけによらない実意のある
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
でございますから」と云って一人で笑った。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
気象者
(
きしょうもの
)
で鉄火で、たった十九と言うのに、狼連を手玉に取って、甘塩でしゃぶるようなお駒と、気軽で、
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
で、捉えどころの無い権次が
黄金を浴びる女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
(これはまたわしをカツグ気だな。河内産まれのこの
爺
(
おやじ
)
は、これでなかなか
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
で冗談を仕掛けるから油断が出来ぬ)
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
陸は
生得
(
しょうとく
)
おとなしい子で、泣かず
怒
(
いか
)
らず、
饒舌
(
じょうぜつ
)
することもなかった。しかし言動が快活なので、
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
として家人にも他人にも喜ばれたそうである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
自分の身体の上に発見したそうだ。注射もせず、喫いも呑みもせぬのにどうして中毒が起ったか。その答は、たった一つある。
曰
(
いわ
)
く、
粘膜
(
ねんまく
)
という
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
さ
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
楽隊
(
ジンタ
)
の係りの者なども、ようやくのびのびとして、思い思いの雑談に高笑いを立てていたが、
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
の仙次が、自分の役であるピエロの舞台着を調べながら
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
そのうちに、お雪ちゃんが思い出しておかしくてたまらないのは、この間お雪が、竜之助から護身の手を教わったという話を聞いて、宿の留守番の嘉七という若い
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
が
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
近頃は作者
夥間
(
なかま
)
も、ひとりぎめに偉くなって、割前の
宴会
(
のみかい
)
の座敷でなく、我が家の大広間で、
脇息
(
きょうそく
)
と名づくる殿様道具の
几
(
おしまずき
)
に
倚
(
よ
)
って、近う……などと、若い人たちを
頤
(
あご
)
で
麾
(
さしまね
)
く
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
さえあると聞く。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おれがやるという
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
があらわれたらしい
半七捕物帳:63 川越次郎兵衛
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「宗近と云えば、
一
(
はじめ
)
もよっぽど
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
だね。学問も何にも出来ない癖に大きな事ばかり云って、——あれで当人は立派にえらい気なんだよ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
好色で
放蕩
(
ほうとう
)
で
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
の彼には、褊一枚の白拍子を抱いて、乱痴気さわぎをやっているところの、この無礼講というものが、どうにも面白くてならないようであった。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「あんまり一間にたれこめて、御病人の看病ばかりなさっているからです、たまにはこっちへ出て来て、この
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
の賢次の話相手になって御覧なさい、少しは気も
暢
(
の
)
びてきますよ」
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この騒ぎの中へ、
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
のお先っ走りの左孝が顔を出さないはずはありません。
銭形平次捕物控:054 麝香の匂い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あの
女
(
こ
)
は幽霊の真似をして人を
威
(
おど
)
して慰むような
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
ではございません。必ず誰かが
教唆
(
きょうさ
)
して殺されるように仕組んだので、教唆したものは綾子
様
(
さん
)
、大木戸伯と
貴女
(
あなた
)
の
他
(
ほか
)
には、私に心当りは無い。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
の例のお杉が、気の毒がって手もとへ引き取り、台所などを手伝わせて、可愛がって養ったので、かつえて死ぬというような、そんな境遇にはいなかったが
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
とんだ
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
である、変な出しゃばりおやじもあったものだ、近藤勇の同郷人だと口走っていたようだが、世間には、自分の同郷人だと見ると、無暗に
賞
(
ほ
)
め立て担ぎ上げて騒ぐ奴と、それから
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
出来た隙間を無理につないで、友白毛まで添いとげる——というやつは高砂やアと、仲人っていう
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
がはいり、謡ってこしらえた
夫婦
(
めおと
)
だけさ。こいつア窮屈でお歯に合わねえ。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ところがここに粋なことが起こった。何かというに
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
の火事で、二軒の屋敷を焼いてしまった。得たりとそいつへつけ込んだのが、忍侯の松平正敏様で、屋敷地を
官
(
おかみ
)
へ返上したものさ。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「それじゃアそろそろ用意しやしょう。……おい外伝、
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
を出そうぜ」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
腹心の老女
秋篠
(
あきしの
)
と、これも同じく腹心で、醜婦と大力とで名を取っていた荻ノ江という腰元と、同じく腹心で
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
で、軽口の上手な花車、——以上四人が鳰鳥の前へズラリと一列に並んでいたが
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
こんなとぼけたことを云い出したのは、
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
の亀菊である。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“剽軽者”の意味
《名詞》
剽 軽 者 (ひょうきんもの)
滑稽な人。
(出典:Wiktionary)
剽
漢検1級
部首:⼑
13画
軽
常用漢字
小3
部首:⾞
12画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“剽軽”で始まる語句
剽軽
剽軽男