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凭懸
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よりかか
ふりがな文庫
“
凭懸
(
よりかか
)” の例文
またぼうとなって、
居心
(
いごころ
)
が
据
(
すわ
)
らず、四畳半を
燈火
(
ともしび
)
の
前後
(
まえうしろ
)
、障子に
凭懸
(
よりかか
)
ると、透間からふっと蛇の
臭
(
におい
)
が来そうで、驚いて
摺
(
ず
)
って出る。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると、怎して残つてゐたものか、二三人の女生徒が小使室の方から出て来た様子がしたので、私は何とも言へぬ羞かしさに急に動悸がして来て、ぴたりと柱に
凭懸
(
よりかか
)
つた儘、顔を見せまいと俯いた。
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
馴れない方がウッカリ
凭懸
(
よりかか
)
ると、前の方に
滑
(
のめ
)
る事がありますよ。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
勢
(
いきおい
)
辟易
(
へきえき
)
せざるを得ずで、客人ぎょっとした
体
(
てい
)
で、足が
窘
(
すく
)
んで、そのまま欄干に
凭懸
(
よりかか
)
ると、一小間抜けたのが、おもしに打たれて、ぐらぐらと震動に及ぶ。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(縁側の
真中
(
まんなか
)
の——あの柱に、
凭懸
(
よりかか
)
ったのは太田(西洋画家)さんですがね、横顔を御覧なさい、頬がげっそりして
面長
(
おもなが
)
で、心持、
目許
(
めもと
)
、ね、第一、髪が房々と
真黒
(
まっくろ
)
に
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「弥吉どん。本当に居ないですか、菊ちゃん。」とお縫は箪笥に
凭懸
(
よりかか
)
ったまま、少し身を引いて三寸ばかり
開
(
あ
)
いている襖、寝間にしておく隣の
長
(
なが
)
四畳のその襖に手を懸けたが
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おや! お蝶さんだ。」と二階の
欄干
(
てすり
)
に
凭懸
(
よりかか
)
ったのが、思わず威勢よく声を立てた。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
月は裏山に照りながら海には一面に
茫
(
ぼう
)
と
靄
(
もや
)
が
掛
(
かか
)
って、粗い貝も見つからないので、所在なくて、背丈に倍ぐらいな
磯馴松
(
そなれまつ
)
に
凭懸
(
よりかか
)
って、
入海
(
いりうみ
)
の空、遠く
遥々
(
はるばる
)
と
果
(
はて
)
しも知れない浪を見て
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いつ煩っても、ごまかして薬をのんだ事のない人が、その癖、あの、……今度ばかりは、
掻巻
(
かいまき
)
に
凭懸
(
よりかか
)
っていて、お
猪口
(
ちょこ
)
を頂いて飲むんだわ。それがなお心細いんだって、
皆
(
みんな
)
そう云うの。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
絶えずはたはたと鳴らす
団扇
(
うちわ
)
づかい、ぐいと、抱えて抜かないばかり、柱に、えいとこさで
凭懸
(
よりかか
)
る、と畳半畳だぶだぶと腰の
周囲
(
まわり
)
に隠れる
形体
(
ぎょうてい
)
。けれども有名な琴の師匠で、芸は嬉しい。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
叺
(
かます
)
の煙草入を
懐中
(
ふところ
)
へ
蔵
(
しま
)
うと、
静
(
しずか
)
に身を起して立ったのは——
更
(
あらた
)
めて松の幹にも
凭懸
(
よりかか
)
って、
縋
(
すが
)
って、あせって、
煩
(
もだ
)
えて、——ここから見ゆるという、花の雲井をいまはただ、
蒼
(
あお
)
くも白くも
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どたどたと
立合
(
たちあい
)
の
背
(
うしろ
)
に
凭懸
(
よりかか
)
って
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
凭
漢検1級
部首:⼏
8画
懸
常用漢字
中学
部首:⼼
20画
“凭”で始まる語句
凭
凭掛
凭竹
凭出
凭背