トップ
>
先
>
さきん
ふりがな文庫
“
先
(
さきん
)” の例文
島野は多磨太が
先
(
さきん
)
じたりと聞くより、胸の内安からず、あたふた
床几
(
しょうぎ
)
を離れて立ったが、いざとなると、さて容易な処ではない。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
然れどもゴンクウルは衆に
先
(
さきん
)
じて浮世絵に着目したる最初の
一人
(
いちにん
)
たり。その著歌麿伝の価値は
此
(
かく
)
の如き
白璧
(
はくへき
)
の
微瑕
(
びか
)
によりて
上下
(
じょうげ
)
するものに
非
(
あら
)
ず。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
かくても貫一は
膝
(
ひざ
)
を
崩
(
くづ
)
さで、
巻莨入
(
まきたばこいれ
)
を
取出
(
とりいだ
)
せしが、
生憎
(
あやにく
)
一本の莨もあらざりければ、手を鳴さんとするを、満枝は
先
(
さきん
)
じて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
(同月七日従二位にすゝみ玉へり)此
密事
(
みつじ
)
いかにしてか時平公の
聞
(
きゝ
)
にふれしかば、事に
先
(
さきん
)
じて 帝に
讒
(
ざん
)
するやうは、君の御弟
斉世
(
ときよ
)
親王は
道真
(
みちざね
)
の
女
(
むすめ
)
を
室適
(
しつてき
)
して
寵遇
(
ちようぐう
)
厚
(
あつ
)
し。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
余に
先
(
さきん
)
ずる十数年以前より基督教を信じしかも欧米大家の信用を有し全教会の
頭梁
(
とうりょう
)
として仰がるる某高徳家は余を無神論者なりといえり、余は実に無神論者にあらざるか、名を宗教社会に轟かし
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
▼ もっと見る
政美の
初
(
はじめ
)
て『
蕙斎人物略画式
(
けいさいじんぶつりゃくがしき
)
』を
出
(
いだ
)
せしは
寛政
(
かんせい
)
七年にして『北斎漫画』初篇
梓行
(
しこう
)
に
先
(
さきん
)
ずること正に二十年なり(寛政七年北斎は
菱川宗理
(
ひしかわそうり
)
と称し多く摺物を描けり)
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
(同月七日従二位にすゝみ玉へり)此
密事
(
みつじ
)
いかにしてか時平公の
聞
(
きゝ
)
にふれしかば、事に
先
(
さきん
)
じて 帝に
讒
(
ざん
)
するやうは、君の御弟
斉世
(
ときよ
)
親王は
道真
(
みちざね
)
の
女
(
むすめ
)
を
室適
(
しつてき
)
して
寵遇
(
ちようぐう
)
厚
(
あつ
)
し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
事物の根本的性質を
究
(
きわ
)
めんとするに
先
(
さきん
)
じその外形より判断を下して
自
(
みずか
)
ら皮相的心理状態に満足せんとする事なり。かるが故に万事全く理想的傾向を有せざる事なり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
物をあつらえるにも人に
先
(
さきん
)
じようとして大声を揚げ、
卓子
(
たくし
)
を叩き、杖で床を突いて、給仕人を呼ぶ。中にはそれさえ待ち切れず立って料理場を
窺
(
のぞ
)
き、直接料理人に命令するものもある。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
毅堂は
始
(
はじめ
)
て江戸に来って昌平黌に入るに
先
(
さきん
)
じて、何人の家に旅装を解いたのであろう。「金山仙史私記」と題したその自伝が存在していたなら、あるいはこれを詳にすることを得たかも知れない。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
“先”を含む語句
先生
先方
先刻
先達
先日
最先
先頭
先駆
水先案内
真先
先祖
先立
先々
一先
爪先
先登
行先
先月
先驅
切先
...