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側室
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そばめ
ふりがな文庫
“
側室
(
そばめ
)” の例文
先年妻を先立たせて以来、
側室
(
そばめ
)
も置かない
男鰥
(
おとこやもめ
)
の
生活
(
くらし
)
、それだけ真面目な人物であったが、娘を愛する心持ちは、人いちばい
勝
(
すぐ
)
れていた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
こんな
冷
(
つめ
)
たい
妻
(
つま
)
の
心
(
こころ
)
が、
何
(
なん
)
でいつまで
良人
(
おっと
)
の
胸
(
むね
)
にひびかぬ
筈
(
はず
)
がございましょう。ヤケ
気味
(
ぎみ
)
になった
良人
(
おっと
)
はいつしか
一人
(
ひとり
)
の
側室
(
そばめ
)
を
置
(
お
)
くことになりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
かれは伊達
綱宗
(
つなむね
)
の
側室
(
そばめ
)
で、その子の
亀千代
(
かめちよ
)
(
綱村
(
つなむら
)
)が二歳で
封
(
ほう
)
をつぐや、例のお家騒動が
出来
(
しゅったい
)
したのである。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「これはいっそのこと
側室
(
そばめ
)
でも置いたら、あのような乱行はなくなるであろう」
軽女
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
是れより以上醜行の
稍
(
や
)
や念入にして陰気なるは、召使又は
側室
(
そばめ
)
など称し、自家の内に妾を飼うて厚かましくも妻と雑居せしむるか、又は別宅を設けて之を養い一夫数妾得々自から居る者あり。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
「左近将監武元様には、最近にとりわけご寵愛であった、年若い
側室
(
そばめ
)
を失われたはずだ。……お菊という娘がそれほどにも……」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
で、某は使者という格で、北畠家へ押して行き、あのお
紅
(
べに
)
を引き上げて来た。……と、どうだろう殿下においては、これは以外に美しい。
側室
(
そばめ
)
の一人に加えよう。
血ぬられた懐刀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
吉野あたりまで
側室
(
そばめ
)
を連れ——
静御前
(
しずかごぜん
)
とやらを引き連れて、遊山かのようにノラリクラリと、遊ばれたと云うことじゃ! ピッピッピッ、クックック、嫉妬したのがお供の弁慶
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お品殿が田沼侯の
側室
(
そばめ
)
にあたる、お篠の方によく似ていて、そのお品殿が伊豆守によって、引き上げられたということとを、前者は拙者自分で調べ、後者は人伝てに聞きましたので
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「なるほど、それはもっともじゃ。では本人にこう云うてくれ、落籍は拙者がするようなものの、拙者から改めて鳰鳥をば、殿の
側室
(
そばめ
)
に出すのじゃから、その
意
(
つも
)
りでとこう云うてな」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
俺は俺の取柄をもって、妻は妻の取柄をもって、
禄
(
ろく
)
を得て命を
繋
(
つな
)
ごうと。……妻は諸大名の
妾
(
めかけ
)
となり、俺は諸大名の奥方や、
側室
(
そばめ
)
に体を
委
(
まか
)
せることにした。そうしてこれは成功した。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「どうもそれにしてもお篠という女が、あのお方の
側室
(
そばめ
)
にあがって以来、あのお方のやり方が変になられた。……どっちみちお篠に似た女の
狂人
(
きちがい
)
が、こう輩出したのではやり切れない」
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そこで早速手なずけたものさ。そいつの娘を
側室
(
そばめ
)
にし、その代わり千代田の絵図面を、そのイマニエルにくれてやった。きゃつそいつを望んだからな。その娘の名をイサベラといった。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それでお前はその狐めを——いやいや狐などと
勿体
(
もったい
)
ない、殿のお
側室
(
そばめ
)
の
鳰鳥
(
におどり
)
殿を、
殺
(
あや
)
めようなどと考えて、殿のご酒宴の真っ只中へ駈け入ろうと
犇
(
ひし
)
めいておったのじゃな?
白痴者
(
たわけもの
)
の
迂濶
(
うかつ
)
者め
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お篠という女が
側室
(
そばめ
)
に上がった。……お篠という女に似た女が、盛んに変な
狂人
(
きちがい
)
になる。……『ままごと』という変わった道具。……松本伊豆守が
頻
(
しき
)
りに使う、……お品という娘がお篠に似ている。
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
去年一年の天変地妖で米も野菜も
穫
(
と
)
れればこそ、持ち越しの米麦に木の根を混ぜて、ようやく冬までは支えて来たが年が代わって春にうつるや日頃怨みある木曽義明が一人の
側室
(
そばめ
)
にうつつを抜かし
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“側室”の意味
《名詞》
嗣子以外または次男以下の男子。
貴人のめかけ。
副室。
(出典:Wiktionary)
“側室”の解説
側室(そくしつ)とは、一夫多妻制の下の身分の高い階層における夫婦関係において、夫たる男性の本妻である正室に対する概念で、本妻以外の公的に認められた側妻や妾にあたる女性を指す。
(出典:Wikipedia)
側
常用漢字
小4
部首:⼈
11画
室
常用漢字
小2
部首:⼧
9画
“側”で始まる語句
側
側目
側女
側面
側衆
側用人
側杖
側仕
側近
側方