何奴なにやつ)” の例文
勿論? 勿論ですとも! 何奴なにやつか知らんけれど、実にきたない根性、けちな奴等です。然し、怨を返すといふ点から謂つたら、奴等は立派に目的を
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一体、そんなことをする悪漢は、何奴なにやつだろうか。手紙の中には、犯人は松永を目標とする者だと思うと、書いてあった。松永は何をしたというのだ?
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「浅井の臣、前波まえなみしんろうッ。織田殿にこそ、この槍を見参にと参ったるに、邪魔だてする小面憎こづらにくわっぱめ。何奴なにやつだ」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「無礼なり何奴なにやつなれば、われを野良犬とののしるぞ」「無礼なりとはなんじが事なり。わが飼主の打取りたまひし、雉子きぎすを爾盗まんとするは、言語に断えし無神狗やまいぬかな」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
それを聞く嬉しさ、身も浮くばかりに思う傍から、何奴なにやつかがそれを打ち消す、平田はいよいよ出発したがと、信切な西宮がいつか自分と差向いになッて慰めてくれる。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「これは尋常の眠りではない! 五更呪縛ごこうじゅばくの妖術によって睡眠ねむりの中へ引き込まれ、前後を失ったに相違ない! それにしてもいったい何奴なにやつめが、かかる妖術を使ったものぞ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一角は心のうちにて、己の名を知っているのは何奴なにやつか、事に依ったら、花車が来たかも知れないと思うから、油断は致しませんで、大刀だいとうの目釘をしめし、遠くに様子を伺って居りますと
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何奴なにやつ! 狂者か。白昼この狼藉——うらみをうける覚えはないぞッ! 引けッ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
人殺し、人殺の大罪人……それは何奴なにやつ? ああ情ない、此おれだ!
「誰か? どこの何奴なにやつか?」
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「そういうのは何奴なにやつか。」
野に臥す者 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「あら、何奴なにやつで」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
だから、さっきもいったように、その男のたましいなるものは、非常にすごい奴にちがいない。いったい、何奴なにやつだろう
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ふうむ。なるほど、一理あるぞこれは! して、何奴なにやつかな、その狂刃のぬしは?」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「この城の喪中もちゅうをうかがい、嘆きの虚をついて、夜半来れる卑怯な敵は何奴なにやつか」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いったい何奴なにやつだろう、思いがけなく穴の奥から現われた奴は?
雪魔 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
「その、争いを致しておったものは、なにやつと何奴なにやつか」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「趙雲はここにおる。来れるものは何奴なにやつか」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「先生お怪我は? してこいつは何奴なにやつでしょう」
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何奴なにやつッ!……無礼者ッ! さがれッ!」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
何奴なにやつ?」と大刀をぬく。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何奴なにやつだ、きさまは」
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ウウム……何奴なにやつッ」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ナ、何奴なにやつッ!」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
何奴なにやつだろう」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『やっ、何奴なにやつ
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何奴なにやつッ」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)