ずま)” の例文
「我れを厭ふ」というので、平常隣家と仲の良くないことが解り、日常生活の背景がくっきりと浮き出している。裏町の長屋ずまいをしていた蕪村。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
川手氏が城郭の不思議な掛人かかりうどとなってから、四五日は何事もなく経過した。陽春の山ずまいはうれいの身にも快かった。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
成程なるほどさうへば何處どこ固拗かたくなのところもあるが、ぼくおもふには最初さいしよ頑固ぐわんこつたのながらのちにはかへつて孤獨こどくのわびずまひが氣樂きらくになつてたのではあるまいか。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
一と口にいうと、地方いなかからポッと山出やまだし書生の下宿ずまい同様であって、原稿紙からインキの色までを気にする文人らしい趣味や気分を少しも持たなかった。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
わたくし自身じしんやま修行場しゅぎょうばうつるまでは、矢張やは岩屋いわやずまいをいたしましたが、しかし、ここはずっとおおがかりに出来でき岩屋いわやで、両側りょうがわ天井てんじょうもものすごいほどギザギザした荒削あらけずりのいわになってました。
おまへはほんとに立派だね! 地球ずまひは沢山だ!