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二子
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ふたこ
ふりがな文庫
“
二子
(
ふたこ
)” の例文
庄三郎は
織色
(
おりいろ
)
の羽織を
著
(
き
)
まして、
二子
(
ふたこ
)
の茶の
黒
(
くろっ
)
ぽい
縞
(
しま
)
の
布子
(
ぬのこ
)
に縞の前掛に、帯は八王子博多を締めて、商人然としている。
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さりとは
外見
(
みえ
)
を捨てゝ堅義を自慢にした身の
装
(
つく
)
り方、柄の
選択
(
えらみ
)
こそ野暮ならね高が
二子
(
ふたこ
)
の綿入れに繻子襟かけたを着て何所に紅くさいところもなく
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
着物は尋常の
二子
(
ふたこ
)
か
唐桟
(
とうざん
)
といったようなのを着け、
芥子玉
(
けしだま
)
しぼりの頬かむりで隠した
面
(
かお
)
をこちらに突き出している。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
多摩川
(
たまがわ
)
の
二子
(
ふたこ
)
の渡しをわたって少しばかり行くと
溝口
(
みぞのくち
)
という宿場がある。その中ほどに
亀屋
(
かめや
)
という
旅人宿
(
はたごや
)
がある。
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
この頃は
二子
(
ふたこ
)
の裏にさえ甲斐機を付ける。斜子の羽織の胴裏が絵甲斐機じゃア郡役所の書記か小学校の先生
染
(
じ
)
みていて、待合入りをする
旦那
(
だんな
)
の
估券
(
こけん
)
に
触
(
さわ
)
る。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
思えば久しく渡しぶねというものに乗ったことはなかったが子供の時分におぼえのある
山谷
(
さんや
)
、竹屋、
二子
(
ふたこ
)
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
二子
(
ふたこ
)
の柄も
縞
(
しま
)
もわからぬ腰卷の上に、ヨレヨレの
印半纒
(
しるしばんてん
)
を引つかけて、猫の百
尋
(
ひろ
)
のやうな三尺帶、髮は
埃
(
ほこり
)
だらけで、蒼黒く痩せた顏は、この世の者とも思へぬ凄まじさです。
銭形平次捕物控:315 毒矢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「多摩川だね、多摩川なら、これをずんずん行けば一本道で
二子
(
ふたこ
)
の大橋へ出るよ」
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
第四、嫌わるることにひるまず、しかも先を嫌ってはいけない。そしてあくまで
綻
(
ほころ
)
びずに、
二子
(
ふたこ
)
の糸で
縫
(
ぬ
)
いつけたように、終始、完全に女の腰に取ッ付いていることを
旨
(
むね
)
とし、紐の使命とする。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三月十八日は高谷千代子の卒業日、私は非番で終日長峰の下宿に寝ているつもりであったけれども、何となく気が欝いでやるせがないので、家を出るとそのまま多摩川の
二子
(
ふたこ
)
の方に足を向けた。
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
昭和六年十一月十五日
二子
(
ふたこ
)
多摩川吟行。柳家休憩。
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
其後
(
そのあと
)
へ
入違
(
いれちが
)
つて
這入
(
はいつ
)
て
来
(
き
)
ましたのが、
二子
(
ふたこ
)
の
筒袖
(
つゝそで
)
に
織色
(
おりいろ
)
の
股引
(
もゝひき
)
を
穿
(
は
)
きまして
白足袋
(
しろたび
)
麻裏草履
(
あさうらざうり
)
と
云
(
い
)
ふ
打扮
(
こしらへ
)
で男
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
六人の一人は巡査、一人は医者、三人は人夫、そして中折れ帽をかぶって
二子
(
ふたこ
)
の羽織を着た男は村役場の者らしく、線路に沿うて二三間の所を行きつもどりつしている。
窮死
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
………ぶくぶくと綿の這入った汚れた木綿の
二子
(
ふたこ
)
の上に、ぼろぼろになった
藍微塵
(
あいみじん
)
のちゃんちゃんを着ているお母さんの背中は、一生懸命に火を吹いているせいか、
傴僂
(
せむし
)
のように円くなっている。
母を恋うる記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
“二子”の解説
二子(ふたご)は、神奈川県川崎市高津区の地名である。現行行政地名は二子1丁目から二子6丁目。住居表示実施済み区域。
(出典:Wikipedia)
二
常用漢字
小1
部首:⼆
2画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“二子”で始まる語句
二子山
二子織