予定よてい)” の例文
旧字:豫定
それでも予定よてい場所ばしょころまでには、すこしはわたくしはらすはってまいりました。『縦令たとえ何事なにごとありともなみだすまい。』——わたくしかたくそう決心けっしんしました。
普通ならば、もうこの辺で、そろそろチューインガムをみはじめる予定よていだったのに、いまはそれどころではない。
香水紳士 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
彼らは観世音像だけを荷づくりして、トラックにつんで運びさる予定よていになっております。人質の壮二君は、仏像とひきかえに貴家へもどるようにはからいます。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
当年、軍学兵法の講論こうろん大試合だいしあい参加さんかする諸家しょけは、まずご当家とうけ筆頭ひっとうに、小田原おだわら北条ほうじょう加賀かが前田まえだ出陣中しゅつじんちゅう豊臣家とよとみけ奥州おうしゅう伊達だて、そのほか三、四ヵ国のご予定よていとある。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それだから仕事しごと予定よてい肥料ひりょうの入れようも見当がつかないのだ。ぼくはもう少しならったらうちの田をみんな一まいずつはかって帳面ちょうめんじておく。そして肥料だのすっかり考えてやる。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
或るものはあめれてち出立すべしと言ひしも、予等の予定よていは最初より風雨に暴露ぼうろせらるる十日間にわたるもあへいとはざるの决心なるを以て、断然だんぜんあめおかして進行しんかうすることとはなれり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
その予定よていのかへられない都合つがふがあつた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)