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一煽
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ひとあお
ふりがな文庫
“
一煽
(
ひとあお
)” の例文
が、
主従
(
しゅうじゅう
)
ともに
一驚
(
いっきょう
)
を
吃
(
きっ
)
したのは、其の首のない
胴躯
(
どうむくろ
)
が、
一煽
(
ひとあお
)
り鞍に
煽
(
あお
)
ると
斉
(
ひと
)
しく、
青牛
(
せいぎゅう
)
の
脚
(
あし
)
が
疾
(
はや
)
く成つて
颯
(
さっ
)
と
駈出
(
かけだ
)
した事である。
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
津田の心はこの言葉を聴く前からすでに
揺
(
うご
)
いていた。しかし行こうという決心は、この言葉を聴いた
後
(
あと
)
でもつかなかった。夫人は
一煽
(
ひとあお
)
りに煽った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「愉快なおことば、秀吉もその意気ごみで、ドレ北国の
荒熊
(
あらぐま
)
どもを、
一煽
(
ひとあお
)
りに
蹴
(
け
)
ちらしてまいろうよ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そういって倉地はさもめんどうそうに杯の酒を
一煽
(
ひとあお
)
りにあおりつけた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
美禰子がこれを受け取る時に、また
一煽
(
ひとあお
)
り来るにきまっている。三四郎はなるべく大きく来ればいいと思った。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
背後
(
うしろ
)
に残って、砂地に独り峡の婆、
件
(
くだん
)
の手を腰に
極
(
き
)
めて、
傾
(
かた
)
がりながら、片手を前へ、斜めに
一煽
(
ひとあお
)
り、ハタと煽ると、雨戸はおのずからキリキリと動いて
閉
(
しま
)
った。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いよいよ、火はこの屋敷の、どこかしらに
籠
(
こも
)
ってるときまった。風を入れては、
一煽
(
ひとあお
)
りに燃えぬける
惧
(
おそ
)
れがある、と感づいたので、万吉はあとの戸をピンと閉めてしまった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
底へ下りると、激流の巌から巌へ、中洲の大巌で一度中絶えがして、板ばかりの橋が
飛々
(
とびとび
)
に、
一煽
(
ひとあお
)
り飜って落つる白波のすぐ下流は、たちまち、白昼も
暗闇
(
やみ
)
を包んだ釜ヶ淵なのである。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吹き
催
(
もよお
)
していた
北風
(
ならい
)
の
一煽
(
ひとあお
)
りに、火の魔の跳躍はほしいままとなり得た。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あれ/\、其の
波頭
(
なみがしら
)
が
忽
(
たちま
)
ち
船底
(
ふなぞこ
)
を
噛
(
か
)
むかとすれば、傾く船に三人が声を殺した。途端に二三
尺
(
じゃく
)
あとへ引いて、
薄波
(
うすなみ
)
を
一煽
(
ひとあお
)
り、其の形に煽るや
否
(
いな
)
や、人の立つ如く、空へ
大
(
おおい
)
なる
魚
(
うお
)
が飛んだ。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
夫人 (ウイスキーを
一煽
(
ひとあお
)
りに、
吻
(
ほっ
)
と息す)
爺
(
おじ
)
さん、
肴
(
さかな
)
をなさいよ。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
煽
漢検準1級
部首:⽕
14画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥