一合いちがふ)” の例文
根岸ねぎし相坂あひざか團子屋だんごや屋臺やたいつた。……近所きんじよ用達ようたしがあつたかへりがけ、時分時じぶんどきだつたから、さゝゆきはひつて、午飯ひるますと、はら出來できたし、一合いちがふさけいて、ふら/\する。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
葛籠つゞらふたつたり、着換きがへほころびしらべたり、……あらつた足袋たび裏返うらがへしたり、女中ぢよちうかひものにしたり、なに小氣轉こぎてん立𢌞たちまはつてたとおもふと、晩酌ばんしやくもので一合いちがふつけたときはなは見事みごとでない
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ところ地震前ぢしんまへのその大雪おほゆきよるである。晩食ばんしよく一合いちがふで、いゝ心持こゝろもちにこたつで寢込ねこんだ。ふすま一重ひとへちやで、濱野はまのさんのこゑがするので、よく、このゆきに、とおもひながら、ひよいときて、ふらりとた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)