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らうふ
語句 | 割合 |
老夫 | 33.3% |
老婦 | 33.3% |
老父 | 33.3% |
老夫筵の
端に坐し酒を
視て
笑をふくみ
続て三
盌を
喫し
舌鼓して大に
喜び、さらば
話説申さん、我
廿歳二月のはじめ
薪をとらんとて
雪車を
引て山に入りしに
老夫曰、人の心は物にふれてかはるもの也、はじめ熊に
逢し時はもはや
死地事と
覚悟をばきはめ命も
惜くなかりしが、熊に
助られてのちは
次第に命がをしくなり
余此蝶を見ざりしゆゑ、
近隣の
老婦若きころ渋海川の
辺りより
嫁せし人ありしゆゑ
尋ね
問ひしに、その
老婦の
語りしまゝをこゝに
記せり。
さて是より熊の
話也、今一盃たまはるべしとて
自酌てしきりに
喫、
腰より
烟艸帒をいだして
烟を
吹などするゆゑ、其
次はいかにとたづねければ、
老父曰、さて
傍を見れば
潜べきほどの
岩窟あり