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みつぷう
君も
御存じの
如く、
海底戰鬪艇の
總ての
機關は、
秘密なる十二
種の
化學藥液の
作用で
活動するのでせう、
其活動の
根源となる
可き
藥液は、
盡く十二の
樽に
密封されて
起きた
時は、
日を
載せた
空が
次第に
遠退いて
行くかと
思れる
程に、
好く
晴れてゐたが、それが
眞蒼に
色づく
頃から
急に
雲が
出て、
暗い
中で
粉雪でも
釀してゐる
樣に、
日の
目を
密封した。
電燈の
光は
白晝を
欺かんばかりなる
市街に
上陸して、
竊かに
櫻木海軍大佐より
委任を
受けたる、
電光艇用の
秘密藥品を
買整へ、十二の
樽に
密封して、
今は
特更に
船を
艤裝する
必要もなく