“はたや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
機屋63.3%
服屋6.7%
織屋6.7%
機舎3.3%
織匠3.3%
幡谷3.3%
機業家3.3%
機織屋3.3%
畑屋3.3%
端谷3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むらからあのとうげをこして母親ははおやまちて、機屋はたやでこの反物たんものい、いえにかえってからせっせとぬって、おくってくださったのです。
田舎のお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
天照らす大御神の忌服屋いみはたやにましまして神御衣かむみそ織らしめたまふ時に、その服屋はたやむねを穿ちて、天の斑馬むちこま逆剥さかはぎに剥ぎて墮し入るる時に、天の衣織女みそおりめ見驚きて陰上ほとを衝きて死にき。
瑤々ようようれんをゆるがしてゆく貴人のくるまがある。夕風のなかを美しい魚のように歩く美女の群がある。小薙刀こなぎなたを小脇に左の手に数珠じゅずを持って織屋はたやの門に立ちのぞいている尼さんがある。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山にはまた、うす黒い綿雲わたぐもが降りていた。お通は無自覚に手紙を持って、庫裡くりの横にある機舎はたやへかくれた。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
機舎はたやで、独りで泣いていたあの時は、去年から又八のためにと丹精して織りかけていた布を、ズタズタに切り裂いて、そのやいばで死んでしまおうかとまで、思いつめていたのである。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これだけ話せば、この思ひがけない女房かみさんに飛び出されて、織匠はたや教父クームがどんなにおつ魂消たかは、蓋し思ひ半ばに過ぐるものがあらう。
「お前さんに何の用があるだね?」と、織匠はたやも口を揷んだ。「これあお前さんのぢやなくつて、あつしたちが流して来たんだぜ。」
有田松太郎は、晩年マキノ映画会社へ加入して市川幡谷はたやを名乗つた。
異版 浅草灯籠 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
壁隣が機業家はたやなんです、高い山から谷底見れば小万可愛や布さらすなんぞと、工女の古い処を唄つて居るのを聞きながら、日あたりの可い机の傍で新版を一冊よみました。
いろ扱ひ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
千葉県下下総国しもふさのくに野田宿のだのしゅくなる太田屋おおたやという宿屋へ泊り合せて、図らずも橋本幸三郎が奧木佐十郎と云う前申上げました足利江川村の機織屋はたやが、孫の布卷吉を連れて亀甲万きっこうまんという醤油問屋しょうゆどいやへ参るに出会い
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
無理無體むりむたいに引立て柴屋寺しばやでら畑屋はたやから茲迄連て來ましたゆゑ勾引かどはかしと存じ小杉の伯父樣と申ましたので御座いますと云ひけるにぞ九助は扨々さて/\子供に似合にあは利發者りはつもの家は何處どこぞと尋ぬるに阿部川宿あべがはじゆくてうといふ者の娘せつと申者なりと申せば九助は憐然あはれに思ひサア/\宅迄うちまで送つてらんと手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
神吉かんき、高砂、野口、淡河おうご端谷はたやなどの衛星的な小城をまず一塁一塁陥し入れてからでなければ、敵の本拠たる歯根しこんを揺がすことは出来ないからである。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)