織屋はたや)” の例文
町を見ますと綾町、絹町、錦町などには、大きな織屋はたやがありますし、高台には、呂宋屋のお城みたいな別室があるし、浜には、納屋衆なやしゅうというお大尽だいじんのやしきや蔵がならんでいます。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
瑤々ようようれんをゆるがしてゆく貴人のくるまがある。夕風のなかを美しい魚のように歩く美女の群がある。小薙刀こなぎなたを小脇に左の手に数珠じゅずを持って織屋はたやの門に立ちのぞいている尼さんがある。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)