“ちらつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
彷彿27.3%
散見27.3%
閃付18.2%
隠現18.2%
隠顕9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
楽しい学生時代の種々さま/″\は丑松の眼前めのまへ彷彿ちらついて来た。丁度自分も同級の人達と一緒に、師範校の講師に連れられて、方々へ参観に出掛けた当時のことを思ひ浮べた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
小万はかみに行ツて窓から覗いたが、太郎稲荷、入谷、金杉あたりの人家の灯火ともしび散見ちらつき、遠く上野の電気灯が鬼火ひとだまの様に見えて居るばかりである。
里の今昔 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
なんだかこれがまたかれには只事ただごとでなくあやしくおもわれて、いえかえってからも一日中にちじゅうかれあたまから囚人しゅうじん姿すがたじゅううてる兵卒へいそつかおなどがはなれずに、眼前がんぜん閃付ちらついている
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
お待合わせを約束の仲ちょうを出た、あの大時計が雪の塔、大吹雪の峠の下に、一人旅で消えそうにっていらっしゃるのが目さきに隠現ちらつくもんですから、一息に駆出すようにして来たんです。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
得ずと思い出したる俊雄は早や友仙ゆうぜんそでたもと眼前めさき隠顕ちらつき賛否いずれとも決しかねたる真向まっこうからまんざら小春が憎いでもあるまいと遠慮なく発議者ほつぎしゃり込まれそれ知られては行くもし行かぬも憂しとはらのうちは一上一下虚々実々
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)