-
トップ
>
-
閃付
>
-
ちらつ
何だか
是が
又彼には
只事でなく
怪しく
思はれて、
家に
歸つてからも一
日中、
彼の
頭から
囚人の
姿、
銃を
負ふてる
兵卒の
顏などが
離れずに、
眼前に
閃付いてゐる
何だかこれがまた
彼には
只事でなく
怪しく
思われて、
家に
帰ってからも一
日中、
彼の
頭から
囚人の
姿、
銃を
負うてる
兵卒の
顔などが
離れずに、
眼前に
閃付いている
初め
彼は
寒氣を
身に
覺え、
吐氣を
催して、
異樣な
心地惡しさが
指先に
迄染渡ると、
何か
胃から
頭に
突上げて
來る、
而して
眼や
耳に
掩ひ
被さるやうな
氣がする。
青い
光が
眼に
閃付く。
初め
彼は
寒気を
身に
覚え、
吐気を
催して、
異様な
心地悪しさが
指先にまで
染渡ると、
何か
胃から
頭に
突上げて
来る、そうして
眼や
耳に
掩い
被さるような
気がする。
青い
光が
眼に
閃付く。