トップ
>
彷彿
>
ちらつ
ふりがな文庫
“
彷彿
(
ちらつ
)” の例文
で、私の臆病には自分ながら
愛想
(
あいそ
)
の
竭
(
つ
)
きる位で、倫敦へ帰った
後
(
のち
)
も、例の貴婦人の怖い顔が明けても暮れても
我眼
(
わがめ
)
に
彷彿
(
ちらつ
)
いて、滅多に忘れる
暇
(
ひま
)
がない。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
楽しい学生時代の
種々
(
さま/″\
)
は丑松の
眼前
(
めのまへ
)
に
彷彿
(
ちらつ
)
いて来た。丁度自分も同級の人達と一緒に、師範校の講師に連れられて、方々へ参観に出掛けた当時のことを思ひ浮べた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その夜は
其
(
そ
)
のままにして再び寝台へ
登
(
あが
)
ったが、
彼
(
か
)
の怖しい顔がまだ眼の
前
(
さき
)
に
彷彿
(
ちらつ
)
いて、
迚
(
とて
)
も寝られる筈がない、ただ怖い怖いと思いながら一刻千秋の
思
(
おもい
)
で
其
(
その
)
夜
(
よ
)
を
明
(
あか
)
した。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それを思うと、銀座で逢った人が余計に大塚さんの
眼前
(
めのまえ
)
に
彷彿
(
ちらつ
)
いた。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
わが眼の前に絶えず
彷彿
(
ちらつ
)
く怪しの影を捉えて、一心不乱に筆を染めた結果、
何
(
ど
)
うやら
斯
(
こ
)
うやら
其
(
そ
)
の
真
(
しん
)
を写し得て、
先
(
ま
)
ず
大略
(
あらまし
)
は
出来
(
しゅったい
)
した頃、
丁度
(
ちょうど
)
私と
引違
(
ひきちが
)
えて
彼
(
か
)
の別荘へ避暑に出かけた貴族エル
何某
(
なにがし
)
が
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“彷彿”の意味
《名詞》
自然に思い起こされるような印象を与える様。
(出典:Wiktionary)
彷
漢検1級
部首:⼻
7画
彿
漢検1級
部首:⼻
8画
“彷”で始まる語句
彷徨
彷
彷徊
彷弗
彷狒
彷迷
彷遑
彷徨彳亍