隠現ちらつ)” の例文
早くもお勢を救い得たのちの楽しい光景ありさま眼前めさき隠現ちらつき、払っても去らん事が度々有る。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
お待合わせを約束の仲ちょうを出た、あの大時計が雪の塔、大吹雪の峠の下に、一人旅で消えそうにっていらっしゃるのが目さきに隠現ちらつくもんですから、一息に駆出すようにして来たんです。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)