“たんぽ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タンポ
語句割合
湯婆41.2%
担保23.5%
反帆11.8%
稽古5.9%
蒲公英5.9%
反歩5.9%
田圃5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暁になって湯婆たんぽがさめた、というような場合には、何となく淋しく哀れなような心地がして詩情が動くものである。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
それで充分の顧客こきゃくがあった。公正証書も担保たんぽ物も不要だった。相手の公表をはばかる弱点を唯一の武器として、しかし、月五分以上の利息はむさぼらなかった。彼の資産は見る見るふえて行った。
月と手袋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
お久良がおかへおりると同時に、船は天神岸を離れて粘墨ねんぼくのような黒い川波へゆるぎ出した。二百石船といえば十四反帆たんぽ苫数とますう八十四枚、水夫かこ十六人、飲み水十五石積だ。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と儀助は渡された稽古たんぽ槍を突きつけたが、これはいかに修行の浅い新九郎の眼にも滑稽なほど、槍の構えにはなっていなかった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と儀助は鳥刺しが竿さおを持つような型で、大上段にふりかぶった高島十太夫の眉間を狙って稽古たんぽ槍をつけた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうかすると土手どてしづかであたゝかなことがあるので、つひだまされて蒲公英たんぽがまだとほはる遲緩もどかしげにくびしてては、またさむつたのにおどろいてちゞまつたやうな姿すがたである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
枯芝かれしばあひだにどうしたものかまぐれな蒲公英たんぽ黄色きいろあたまがぽつ/\とえる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「やっぱり反歩たんぽか。」ときいたが、時代の違っている事に気がついて、「この辺でも吉原の裏へ行くのか。」
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
田圃たんぽを越して、遠く、騎兵の一隊が七、八騎時々見え、かくれ、行くのが見えた。——もう、由三は夢中だった。河堤に出ると、村の人達が二三十人かたまって、見物していた。
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)