担保たんぽ)” の例文
即ち申込者から、普通一円、市外二円の割で、信用担保たんぽ等の調査料を取立てるのであつて、その調査の結果は、御融通できないと云ふことになるのである。
日本三文オペラ (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
それで充分の顧客こきゃくがあった。公正証書も担保たんぽ物も不要だった。相手の公表をはばかる弱点を唯一の武器として、しかし、月五分以上の利息はむさぼらなかった。彼の資産は見る見るふえて行った。
月と手袋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
先ずはじめに銘々の持ちものを何か一つずつ担保たんぽ gage として提供させる。それから一人「船長」がきめられる。次にテーブルを囲んだ人々の環を伝わって卓の下でこそこそと品物が廻される。
追憶の冬夜 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
なぜといって、まだおはなししなかったかも知れませんが、その向側のビルディングは、所有者と担保たんぽに取った銀行との間に、もつれた裁判事件が起っていて、其当時は、全く空家になっていたからです。
目羅博士の不思議な犯罪 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)