“ぞくと”の漢字の書き方と例文
語句割合
賊徒100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
当時都には「黒手組」と自称する賊徒(ぞくと)の一団が人もなげに跳梁(ちょうりょう)していまして、警察のあらゆる努力もその甲斐なく、昨日は某の富豪がやられた。
黒手組 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
丹羽昌仙の北条流(ほうじょうりゅう)の軍配(ぐんばい)と、二千の野武士(のぶし)と、この天嶮無双(てんけんむそう)な砦(とりで)によった人穴(ひとあな)の賊徒(ぞくと)らは、こうしてビクともしなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
命(みこと)が日本国(にほんこく)にとりて並(なら)びなき大恩人(だいおんじん)であることはいうまでもなけれど、しかし殺(ころ)された賊徒(ぞくと)の身(み)になって見(み)れば、命(みこと)ほど、世(よ)にも憎(にく)いものはない。
命(みこと)の手(て)にかかって滅(ほろ)ぼされた賊徒(ぞくと)の数(かず)は何万(なんまん)とも知(し)れぬ。で、それ等(ら)が一団(だん)の怨霊(おんりょう)となって隙(すき)を窺(うかが)い、たまたま心(こころ)よからぬ海神(かいじん)の援(たすけ)けを獲(え)て、あんな稀有(けう)の暴風雨(あらし)をまき起(おこ)したのじゃ。
「賊徒(ぞくと)、うごくな」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幾年(いくとせ)かに跨(またが)る賊徒(ぞくと)征伐(せいばつ)の軍(いくさ)の旅路(たびじ)に、さながら影(かげ)の形(かたち)に伴(ともな)う如(ごと)く、ただの一日(にち)として脊(せ)の君(きみ)のお側(そば)を離(はな)れなかった弟橘姫(おとたちばなひめ)の涙(なみだ)ぐましい犠牲(ぎせい)の生活(せいかつ)は、実(じつ)にその時(とき)を境界(さかい)として始(はじ)められたのでした。