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くうちゆう
『
柳川君、
然らば
之にてお
別れ
申すが、
春枝と
日出雄の
事は
何分にも——。』と
彼は
日頃の
豪壯なる
性質には
似合はぬ
迄、
氣遣はし
氣に、
恰も
何者か
空中に
力強き
腕のありて
それのみにても
我れは
生涯大事にかけねばなるまじき
人に
不足らしき
素振のありしか、
我れは
知らねど
然もあらば
何とせん、
果敢なき
樓閣を
空中に
描く
時、うるさしや
我名の
呼聲、
袖
ポムペイの
滅びた
原因が
降灰にあることは、
空中から
見た
寫眞でもわかる
通り、
各家屋の
屋根は
全部拔けてゐて、
四壁が
完備してゐることによつてもわかるが、
西暦千九百六年の
大噴火のとき